シスター・ブラックシープV 花嫁の聖戦 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

ユリエルを救うために悪魔の花嫁として地獄へ行くことを選択したコンスタンティンは、地獄の悪魔の城で物足りないながらも穏やかな日々を過ごしていた。一方、コンスタンティンが去ったサクスでは、サクスを手に入れようとするサイラス司教が、領主を破門するという一手を打ち出していた。

最後の最後に悪魔のターンだったけど最終的には痛み分け(笑)。

黒い羊最終巻、地獄に行ったコンスタンティンと、サクスに残ったユリエルがそれぞれの方法でサクスを、そしてお互いを助けようと奮闘するお話。ここに来て悪魔のターンがやっとやってきて、悪魔のコンスタンティンへの想いにグッと来てしまいました。個人的にはユリエルさん派(でもどっちも捨てがたいよね、選べないよね分派)だったんですが、天秤の傾きが一気に中立に動き、そして最後のオチにらしいなぁと笑ってしまったとか何とか。

悪魔の真実、悪魔の愛、復活した「ブラックシープ」とブラックシープなりの決着の付け方、司祭の告白と最後まで盛りだくさんで、息つく暇がなかったです。やっぱり、ブラックシープがサクスに舞い戻ってからが盛り上がって楽しかったなぁ。コンスタンティンはやっぱり男前で、それと同じくらい男前だったエリカがやっぱり好き(笑)。ラストはラストで、「彼女を巡る争いはまだまだ続くけど、当の本人はそこらへん完全無視で自分の夢に突き進む!」という展開がアリアリと見ているような気がして、それはそれでまた楽し。

コンタンティンの野望成就物語など、番外編で読みたいのですがありませんかねぇ……。

imgシスター・ブラックシープV 花嫁の聖戦
喜多みどり/桐矢隆
角川ビーンズ文庫(2011.11)
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