楽園の蓮 はじまりを歌う少女 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

中学生の蓮は、親友に裏切られたショックで学校を抜け出してしまう。家に帰り着いた蓮は庭で見つけた怪我をした小鳥を助けたことから、愛犬のハチローに謎の「パン」と名乗る神が宿り、パンの宿ったハチローとともにパンの世界に連れていかれてしまう。蓮はそこでパンを封じた悪い神様を倒さないと元の世界に戻れないという衝撃の事実を告げられてしまう。

ハチロー可愛いな。忠犬はいい。

喜多さんのハードカバーの冒険物は、異世界にトリップした女の子がい世界で男前に活躍するお話でした。ショックな出来事から逃げ出してしまった蓮でしたが、トリップ先で持ち前の男前さと前向きさと優しさで「悪い神様」に立ち向かっていく姿がかっこよかったです。トリップ先が滅亡一歩手前カウントダウン十秒前くらいで結構つらい展開の連続なんですが、それほど落ち込むことなく読み進めていけました。

蓮がトリップした世界と蓮の世界とがどうつながっているのかな、とかあのあとあの世界はどうなったのだろう、とかいろいろ気になるところはあるのですが、読了感はわりとよくて、女の子の友情っていいなぁとにまっとしてしまう終わり方が印象的。あれだなー、男の子より女の子の友達が!っていうこのむずがゆい心境、むずがゆくて素敵だ(笑)。一番微妙なお年頃、青春だなぁ。

img楽園の蓮 はじまりを歌う少女
喜多みどり
銀の匙(2011.10)
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