鏡の国の灰かぶり姫 / 山本瑤

本の感想, 作者名 や~わ行・他山本瑤

シリンを救うため、魔女インドラの助力を得て国の人々から自分の記憶を消したティファニーは、なぜかティファニーの記憶を失わずにいたクインシーに保護されていた。ティファニーはシリンに変わり魔王の森に行くという運命を課されたエディスを追いかけようとするが、クインシーの結界から出ることが出来ずにいた。

クインシー・ニカ兄妹がいい味を出しすぎてるよなぁ。

「鏡の国」シリーズも終盤、シリンのために関係する者たちから自分に関する記憶を消すという選択肢を選んだティファニーと、ティファニーへの恋心に苦しんでいたエディスのお話が中心に話が進んで行きました。

エディスの友人・隣国の騎士イアンテさんが登場。エディスを助けるためにティファニーと珍道中・即席コンビぶりを発揮しますが、なかなかのコンビっぷりが面白かったです。面白いといえば、記憶を失っているはずなのにティファニーとのやりとりで「なにか」と感じるシリンがロマンでした。ロマン!記憶を取り戻しそうでまだ取り戻せないシリンと、「前の関係」のことを言い出したいけど言い出せないティファニー、それぞれ素直じゃないところがこれまたロマンで、そしてどうやって決着を付けるのかというところも気になるので続きも楽しみ。

img鏡の国の灰かぶり姫
山本瑤/明咲トウル
集英社コバルト文庫(2011.10)
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