アイリスの剣2 / 小田マキ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小田マキ

フォーサイスとの溝をなかなか埋められずにいたブルーデンスは、フォーサイスに不信を植えつけると分かりながらも兄の危篤の知らせに実家に駆けつける。一方のフォーサイスは、元副官の面影を追いながらも、ブルーデンスに惹かれているという事実にようやく気づき始める。そして、フォーサイスの命を受け、ブルーデンスの身元とブルースの行方を探しに隣国に向かったライサチェックは、「ブルースの死」の真実を知る。

おいしいのに!そこが一番おいしいところなのに!(とか言いながら面白かったです)

元男装騎士のお嬢さんの嫁入り物語第二弾。「嫁入り物語」と書くとゆるっとしてそうな雰囲気が出てしまいますが、全体的に殺伐しています。そんな中、ようやくデレたフォーサイスさんと、フォーサイスさんの妹さん関係が素敵でした。妹ちゃんかわいいなぁ!1巻よりも(個人的に)ぐっと読みやすくなっていたところもポイント高しです。

で、今回は話の一番の盛り上がりであろう「ブルーデンスの正体がばれるよ」というところが来たんですが、ちょこっともったいなかったです。こういうお話の正体バラシは「本人の口から語られるか、ダンナが偶然目撃しちゃって衝撃を受けて本人から事情を聞く」などが個人的な理想的なのですがあっさりおわっちゃった……いや、でもその後の騎士団のみなさんの反応が楽しかったんでいいんですけどね……。

ブルーデンスが鎖からようやく解放されて、幸せになれる前準備はできたとは思うのですが、ブルーデンスとフォーサイスの関係以外は何一つとして好転していませんので、これからどうなるのかなぁ。続きも無事刊行されることとなったと作者さんのブログにかいてあったので、のんびり待ちたいと思います。

アイリスの剣〈2〉 (レジーナブックス) アイリスの剣2
小田マキ/こっこ
レジーナブックス(2012.01)
honto/amazon