鬼舞 見習い陰陽師と百鬼の宴 / 瀬川貴次

本の感想, 作者名 さ行瀬川貴次

傷心の家付き幽霊・源融(元時代をときめく貴公子)を慰めるため、自邸の庭で宴を開くことにした見習い陰陽師の道冬だが、宴の最中に庭に突如百鬼夜行があらわれる。百鬼夜行に融と「畳」が巻き込まれてしまい、二人を助けるために奔走する道冬だが、今度は道冬自身が百鬼夜行に飲み込まれてしまう。

畳が掛け値なしに正ヒロイン。

見習い陰陽師の道冬少年と、安倍晴明の息子・吉昌のコンビがおもしろい陰陽師モノ三冊目。可愛い女の子がいないことがネックの物語なんですが、あんまり気になりませんね!畳(付喪神)がさらわれて涙目とか、もうまさにヒロインとしかいいようのないポジションです!

晴明を狙った百鬼夜行に巻き込まれた道冬ですが、偶然とは言いながらもどうもそれ以外にもこれに巻き込まれた「縁」があるようで。道冬の出自は全部は明かされませんでしたが、そうなると安倍さん兄弟との出会いも因縁ということなのかな。そして、道冬の忠実な家人・行近の過去が少し明かされてきましたが、なんだかこれもまた大きな爆弾になりそうな過去で、今後どう絡んでいくのか気になります。

ということで、ヒロインはいないんですが融大臣と畳がかわいいので問題ないです。続きも楽しみー。

img鬼舞 見習い陰陽師と百鬼の宴
瀬川貴次/星野和歌子
集英社コバルト文庫(2011.7)
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