英雄の占星術師 / 華宮らら

本の感想, 作者名 は行華宮らら

裏町でそれなりに評判の「占星術師」として活躍していたレイヴィットは、占いの結果が理由で街のゴロツキに因縁をつけられ追われていたところを、胡散臭い軍人に助けられる。レイヴィットを助けたのは、とある軍港から英雄とも呼ばれる海尉艦長のアーツで、アーツはレイヴィットの特殊能力を見込んであることを例ヴィットに依頼する。

海軍を舞台にしたコンビモノ。なかなか燃える。

華宮さんの新作は、クラシカルロマンではなく(ちょっとつながりはありますが)海軍を舞台にした男くさい(女の子もちょっといるよ!)のコンビモノでした。以下続刊を待て!という展開で、一冊読切かな、と思いながら読んでいたのでちょっと消化不良感が……いや、(ちゃんと)続くのなら全く問題のないモヤモヤ感なんだですが。

破天荒なアーツに振り回されて、いやいやアーツに連れ回されているうちにだんだんアーツの魅力に取り込まれて、アーツの右腕になってしまうというこのレイヴィットの不憫な人生がちょっと楽しいです。レイヴィットも退廃的に生きるタイプの人間かと思えば、実はかなり熱いところのある青年で、こういう青年は大層好みです!よい熱さでした。あとは、新しい国にある「熱い空気」や改革しようという熱意、そしてそれを邪魔しようとする障害などのちょっとした政治方面のお話も好きな部類でした。

可愛い女の子はいるのにまだまだ活躍の機会は少なく、海賊さんやなにやらと面白そうな人物も多いので、続きものんびり待ちたいです。

img英雄の占星術師
華宮らら/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2012.03)
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