狐と乙女の大正恋日記 貴女、憑かれてますよ? / 月本ナシオ

本の感想, 作者名 た行月本ナシオ

古物の鑑定師である父の仕事の都合で、大財閥の赤坂家に居候し、そこから女学校に通うことになった佳乃子は、赤坂家の奇妙な四兄弟とも共同生活をはじめることになる。持ち前の前向きさで個性の強い四兄弟との共同生活もなんとかクリアできそうな折、佳乃子は世間を騒がすある事件に巻き込まれる。

大正時代、女学生……いろいろ釣れそうなキーワードです。

月本さんの新作は、大正時代を舞台にした憑き物ファンタジー。いろいろ謎に包まれすぎている四兄弟に、ヒロイン自身もなにやら秘密がありそうで、さらに特務隊とかいう響きを引っさげての軍人さんまで登場するというなかなかに興味深い幕開けでした。大正時代の女学校ターンが個人的には好きです!花園!女の子かわいい!女学生!袴!(思いついたままに)。ある意味逆ハー状態で、いろいろ兄弟間で佳乃子ちゃんの取り合いも予想されますが、お相手は「狐」に対応する四兄弟の末弟一択っぽいですね、安心仕様。

しかしながら、筋は面白いし続きも気になるんですが、読みながら意識を飛ばしてしまうこと数回で続きを読もうか悩むところも事実で。前作も実はシリーズ1冊目が似たような感触で、2冊目どうしようかなぁというところでいきなりガツーンと来て最後まで楽しく読んだという経験があるので、えー、続きがでたらちょっと考えてみたいと思います。

狐と乙女の大正恋日記 貴女、憑かれてますよ? (角川ビーンズ文庫)狐と乙女の大正恋日記 貴女、憑かれてますよ?
月本ナシオ/Ciel
角川ビーンズ文庫(2012.05)
amazon/honto