花神遊戯伝 よろしく遊べ、この異世界 / 糸森環

本の感想, 作者名 あ行糸森環

ごく普通の女子高生千夏は、雪まつりの会場から突如異世界に行ってしまう。そこで千夏を助けたのは、千夏を阿呆と罵りながらもなんのかんのと世話を焼いてくれる胡丁だった。元の世界にもどりたい千夏は胡丁の屋敷を抜け出し、「たどり着いた場所」に向かおうとするが……

面白いんだけど、なぁ。

オンライン小説で人気の作家さんのビーンズ文庫デビュー作。ごくごく普通の女子高生が古代日本風な異世界にいきなり飛ばされて、いろいろひどい目にあいつつ、助けてくれたイケメン(ただし口悪いしぞんざいな扱い)と絆を深めつつ、えらい事件に巻き込まれていくお話でした。

千夏が飛ばされた世界の成り立ちやなにやらはすごく興味深いし、わりにヒロインに容赦無い展開であったりするところや、終盤のジェットコースター的な展開の数々は非常に面白かったのですが、いかんせん終盤にたどり着くまでが、つらかった……。もうこれ個人の好みの問題としか言えないんだけど、ヒロインの一人称で進んでいくのですが、この一人称が、こう、なんというか、受け付けないタイプで。ツッコミのいないボケ [1]クラスに一人いそうな「どう絡めばいいかよくわからないけどノリが面白い子」というそんな雰囲気と、たまに出てくる片言な話口調。更に他の登場人物の喋り方も独特で、(ヒロインの話し方ほど浮いているとは思いませんでしたが、個人的には苦手なタイプ)目が滑って滑って、何回かくじけかけました……。

面白いことは間違いないんですよ。でも読みにくくて、続きは悩むところです。他のオンライン小説 [2]具体的に言うと「花術師」で、こちらは全部は読んでいませんが少しずつ読んでいますではここまで違和感を感じなかったのに、どうしてかなぁ。

null花神遊戯伝 よろしく遊べ、この異世界
糸森環/鳴海ゆき
角川ビーンズ文庫(2012.06)
amazon/honto

References

1 クラスに一人いそうな「どう絡めばいいかよくわからないけどノリが面白い子」というそんな雰囲気
2 具体的に言うと「花術師」で、こちらは全部は読んでいませんが少しずつ読んでいます