革命は恋のはじまり~え?後宮解散ですか!?~ / 小田菜摘

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小田菜摘

オズトゥルク帝国の後宮で日々美を磨くナクシュデルは、ようやく待ち望んだ「皇帝からの初のお召」を受ける。後宮で登りつめることを目標にしているナクシュデルは意気揚々と皇帝を待つが、彼女の前に現れたのは年老いた皇帝ではなく年若い青年士官だった。リュステムと名乗る士官とその先輩が言うには、帝国で革命が起き皇帝は逃亡、ナクシュデルは後宮の他のとともに王宮に置き去りにされたという。成り行きでリュステムの屋敷に保護される事になったナクシュデルは、自分の身の振り方を考えて……

ラブコメといいつつ最後の方はやっぱり小田さんだった(好きだ)。

小田さんのビーズログ進出作は、ご本人初挑戦らしいラブコメ作品。甘いと見せかけて固めの展開はさすが小田さん。そして、序盤はラブコメ、かな……そこまでその単語を連発しなくてもいいのに、と苦笑いしながら読んでましたが、うん面白かった!寵姫になりそこねたナクシュデルが後宮の外に出て、自分の道を進んでいくところが良かったですねぇ。私の好きな「強敵と書いてトモと呼ぶ」系の昔の同僚とのコンビネーションも、(それほど多く語られているわけではないのですが)とても好みです。

ナクシュデルが彼の人の元に渋々戻ったあとの彼女の言い分というかが、ちょっと一貫性がないかなぁとか感じてしまいましたが、話の筋自体はとても好きなので大変満足です。「後宮で英才教育を受けてるのにおとぼけ」のナクシュデルと、純粋培養のリュステムのなぜかほのぼのしてしまう「小さな恋のメロディ」も良い具合ですし、リュステムの先輩さんの女ったらしぶりも面白かったしで。またこんなお話読んでみたいです。

革命は恋のはじまり~え?後宮解散ですか!?~
小田菜摘/雲屋ゆきお
ビーズログ文庫(2012.07)
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