銀の竜騎士団 黒の皇子とウサギの誘惑 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

無事王女としてお披露目を果たしたルーシェに、帝国の第一皇子アルシェイドが婚姻を申し込んできた。アルシェイドに王女として対応するルーシェは図らずともあるシェイドを「挑発」してしまう。一方、アルシェイドと瓜二つの容姿をもつスメラギはシリスの命令で拘束されるが、この機会に帝国に潜入することになる。

いやなんというかもうシリスが幸せになれば……

銀の竜騎士団、新章突入ということで「王女のたまご編」の開幕です。
既刊に比べてちょーーーーっとパワーダウンしたかなぁ、という気がしなくもないですが、新章のスタートなので、えーと、エンジンが温まりきってない感じで……。乗り切れないのは、スメラギさんの潜入作戦とその顛末に疑問を持ったからです!(言っちゃった)

スメラギの出自が意外にあっさりはっきり。そしてルーシェはルーシェで三人の皇子様にそれぞれ言い寄られることが確定。更にシリスはシリスで手のひらの上で転がしまくっていることをあっさり告白し、ルーシェの幸せのために今後も頑張りますと決意表明。ここまでくると、シリスがどう幸せになるのかが、最大の関心事項になりそうだなぁ。だってルーシェとスメラギは、山や谷があってもきっと最後は、でしょう(ビーンズ文庫だし)。なんやかんやでスメラギさんルーシェのこと甘やかしてるし(そして我慢してるし……!)

今後はスメラギの母方の国問題も絡んでいくのかなぁ、どう話を持っていくのかなぁと展開があんまり読めないので、ボチボチと続きを待ちたいと思います。

銀の竜騎士団 黒の皇子とウサギの誘惑
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2012.07)
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