六蓮国物語 宮廷のニセ御使い / 清家未森

本の感想, 作者名 さ行清家未森

結蓮に結婚を迫っていた太子・崇怜が、御使いに宛てた結蓮の手紙を手に実は自分が御使いなのだという驚きの告白を結蓮にしてきた。疑問を感じながらも、御使いだという崇怜を邪険にできない結蓮は、彼と無理やり親交を深めさせられることとなる。一方、花街で起きている謎の妖怪絡みの事件のため、季隆は結蓮には詳しい事情を話さずに寝る間を惜しんでその対処に当たっていたが……

あら、わりと引きずらないようで。

軟派ななよなよ上司と硬派なオトコマエの武官(しかもあこがれの人が実は上司で、本人はそのことに気付かず同居)といういろいろ美味しい設定てんこ盛りのシリーズ第3弾。結蓮が本人を前にしていると知らずにあこがれの人の素敵さを熱弁するシーンをニヤニヤしながら読むのがある意味醍醐味の本シリーズなんですが、この部分もうちょっと引っ張るのかな?と思っていたら、それほど引きずらずに話が進んでいくようでちょっとびっくりでした。それ以外にも、季隆がこの国に残り果たそうとしていた復讐関係も一応本巻でかたがつき、どうやらラスボス戦に向かっての準備は完了した、というところらしく。もうちょっと長期シリーズになるのかな?と思っていたんですが早めに纏まりそうですねぇ。

と、感想になってるようななってないようななんですが。へらへらしていながらもやるときはやる季隆はかっこ良かかったし。崇怜にはっきりとノーを突きつける結蓮もかっこよかったし。オトコマエを堪能できる良いシリーズです。

六蓮国物語 宮廷のニセ御使い
清家未森/Izumi
角川ビーンズ文庫(2012.09)
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