デ・コスタ家の優雅な獣2 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

一族の跡継ぎを生むためだけに連れてこられた内気な少女ロザベラは、自由を得るために一族内での居場所をつかもうとしていた。なんとか手柄を立てた矢先、デ・コスタ家と対立する組織の襲撃に巻き込まれてしまい、長兄のエミリオから一時身を隠すように指示される。このままでは自由から遠ざかってしまうと一念発起したロザベラは、同じく失態を犯した三男ダリオと共に名誉挽回の機会を伺うことにする。

悪い子、かー。新たな一歩踏み出したロザベラにゾクゾクした。

大層内気な女の子が、自由を得るために「悪いこと」に手を染めていくというなんとも背徳感あふれるシリーズ2巻目。根性が複雑骨折しているエミリオのロザベラへの「期待」にややこしい人だなぁ、と溜息をつき、ロザベラを「妹」として危険から遠ざけておきたい次男ノアとロザベラの何とも言えない「家族」のやりとりにニヤニヤし、裏表ないけれどこれまたややこしい三男君の犬のようなアレコレにロザベラ頑張れ、と思わず応援したくなったりと、1巻に引き続き楽しかったです。

今回もロザベラが予想以上の胆力を見せて、いきなりきりりと凛々しくなっていところがかっこよかったです。たぶん、心のなかでは腰がひけまくっていたんだろうけど、さすが「デ・コスタ家の女」だなぁ、と。ロザベラが任された縄張りで、また彼女が新しい一面を見せてくれてるのかと思うと楽しみだなぁ。悪い子になりたくないのに、悪くなっちゃうという罪悪感を抱えたロザベラのグルグルが何故かよい物なので、楽しみにしています。

デ・コスタ家の優雅な獣2
喜多みどり/カズキヨネ
角川ビーンズ文庫(2012.11)
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