詐騎士 / かいとーこ

本の感想, 作者名 か行かいとーこ

余命2年くらいの領主の息子ルーフェスに成り代わり、新米騎士として騎士団に潜り込んだルゼ(女の子)。ルゼは行方不明になった大事な憧れの人を取り戻すという目的を胸に、魔術の才能を生かしながら騎士団で確固たる地位を築いていくが……

これはあんまり見たことないヒロイン像。

オンライン小説発のソフトカバー本、おもしろいよーというお話をちらほら聞いていたので読んでいました。基本はルゼ(るーちゃん)の一人称で進む、「男装」の騎士物語。なんというか、語り口がわりと癖が強くて慣れるまでに時間がかかりましたが、面白かったです。たまに男装モノだという事を忘れる程度に「男装」関係のアレコレは今のところ出てきてませんが、そのうちくるのかな?
傀儡術と呼ばれる魔術を駆使するルゼは「詐騎士」と呼ばれるほどの反則技の連続(笑)で独特なポジションを獲得していくんですが、その過程が面白かったなぁ。ルゼをサポート?する女顔のゼクセン、性格に難ありの王子さまにその王子さまの妹とは思えないほどの良い人のお姫様、と周囲の人物も濃すぎて大変。一番濃いのは、間違いなくこの子本当にヒロイン?というほどのなかなか良い性格を隠そうともしないルゼちゃんであることは間違いないんですけどねぇ。

ルゼちゃんたちが挑む過去の事件の黒幕やら、「下の世界」の真実やら、いろいろ不明な点が多いので続きも楽しみ。

詐騎士
かいとーこ/キヲー
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