姫怪盗と危険な求婚者 / 宇津田晴

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行宇津田晴

美形揃いのグラナート王国の中で、地味姫と呼ばれ存在そのものを忘れられることも多いフローラ王女は、「大怪盗シュバルツ」の見習いとしてリラの瞳を持つ者の御役目である黒の秘宝を追っていた。黒の秘宝を手に入れるため、隣国の王太子クレメンスの花嫁選びに参加することになったフローラだが、クレメンスはフローラが怪盗シュバルツだという事を折に触れて匂わしてきて……

安心と安定のラブコメで楽しかった!

普段は存在を消して地味に地味に生きているけど実は怪盗シュバルツとして派手に動き回っているフローラ姫と、どういった理由かは分からないがフローラ=シュバルツであることを何としても暴こうとする王子さまクレメンスのラブコメ。クレメンスのクッサイセリフの数々はフローラをあぶり出すための罠かと思っていたのですが、素の状態でも恥ずかしい事言うので、なんというか、最後まで恥ずかしかったですいいぞもっとやれー。

お役目一直線のフローラが恋心に気づいたりするところは胸キュンだし、彼女を見守るマリアや叔父とのやり取りもニヤニヤしちゃったしで、要所要所で楽しくて、面白かった!地味姫を卒業するところなんかは、お約束とはいえドキドキしたしで、このワクワク感が良い少女小説だな、と。一冊で終わりなのはもったいないなぁとは思いますが綺麗に決着したのでこれはこれで有りかなー、と。しかし、スピンオフでマリアとおじさんの物語があったら喜んで飛びつく自信はあります。

姫怪盗と危険な求婚者
宇津田晴/ねぎしきょうこ
小学館ルルル文庫(2013.02)
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