西の末裔 目覚めよ、宿命を継ぐ者 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

出家を目指す少年・青蓮は、師匠である三蔵の意向でなかなか出家できずにいたが、「仏像と巻物をとある寺から盗む」ことを出家の条件に提示される。長安に向かい件の寺に忍び込んだ青蓮は、はからずしもお尋ね者の黒麒の手を借りることになる。

これまた女っ気のなさそうな(しかしけっこう好き)。

最近少年モノが続いていて、それがわりに好みの作品が続く村田さんの新作は、三蔵法師の弟子が出家を目指してとある任務のために元お尋ね者と軍人二人らと旅に出るお話、の旅に出るまでのお話。後書きにも書いてありましたが、主人公がお坊さんをめざしているので……ヒロインいない!出る気配もない!あえて言うなら有能なマスコット白猿・茶々ちゃんがヒロイン!かわいいからいいけど。前までとちがってちょっと後ろ向きな主人公が、今後どう成長していくのかが楽しみです。
今回は各登場人物の紹介と、旅の目的と、そして青蓮の隠された「秘密」がなにやら大きな鍵となりそうなところが示されたくらいのプロローグ編で、「敵」も誰かがよく分からないのでこれは今後の展開に期待というところでしょうかね。秘密といえば、茶々ちゃんも神様のお使い的なポジションでもありそうなのでそれもなにかは気になるなー。

西の末裔 目覚めよ、宿命を継ぐ者
村田栞/霜月かいり
角川ビーンズ文庫(2013.10)
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