詐騎士3 / かいとーこ

本の感想, 作者名 か行かいとーこ

身代わりと性別詐称がバレたルゼは、病気療養中のルーフェスの妹としてギルの客人扱いで王宮に滞在することになった。「淑女」として足場を着々と固めていくルゼだが、陰謀渦巻く宮殿でそして宮殿の外でやはりトラブルに巻き込まれていく。

ルゼはさわやかな腹黒だなぁ。

「持ちつ持たれつ」の王子様ギルの手駒として、今度は年齢詐称と身分詐称で海千山千の宮殿内を渡り歩かんとするルゼの物語3冊目。今回も相変わらずの男前ですかっと気持ちのいい、筋の通ったルゼのアレコレが楽しい一冊でした。ラスボスとしか思えないギルの母親関係はほとんど進まず、どちらかと言えば宮殿その他でルゼが足場を固める話だったのですが、これはいい腹黒だ(笑)。腹黒とは言いつつ基本は「頼り甲斐のあるいい人」なので、読んでいて気持ちいいんですよね。

なんのかんのとルゼにたらしこまれた人たちが、なんのかんのとルゼの力になっているところなんかが好きだなぁ。今回でいうところの、お茶屋さんのあの人とか。次以降もなんのかんのといい脇役になってきそうな気がするので、続きも楽しみ。あとは見た目(巨大なウサギ)に反して毒舌おっさんのラントちゃんの活躍にも期待です。

詐騎士3
かいとーこ/キヲー
レジーナブックス(2012.03)
amazon/honto