女神と棺の手帳 涙降る夜の秘密 / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

試験を終え大学が夏季休暇に入り、ケイトは友人のリオとノーマンとともにリオの祖母が住んでいる東部のソールヒルに遊びにいくことになる。風光明媚な都市として知られているソールヒルだが、ちょうど若い女性ばかりを狙う連続殺人事件が起きており、そこでケイトは捜査に駆りだされていたイーノットと再会する。

あらあら、まあまあまあ。それにしてもリオくんがいい人すぎる。

シリーズ4冊目でついに動いたなー、という一冊でした。どうしてケイトさんは行く先々で事件に巻き込まれるんですか!と突っ込みたくなるのですが、そうでもしないとイーノットさんに会えないし、なんというか、お約束な感じで。そして今回は妙に攻めるケイトさんと、頑張って気づかないふりをしているイーノットさんの攻防が、少女小説的に美味しすぎました、ごちそうさまでした……。そしてそれを際立たせるリオくんのいい人ぶり。もうあんたこの物語のMVPだよ!(こういうキャラクターが好きなもんで)と握りこぶしで応援したくなりました。

さて、謎の連続殺人事件の背後にちらつくイーノットの過去に、ついにシリーズもクライマックスに向けて一直線?と思わせる手強い敵の登場、更に昔の戦友も参戦で盛り上がってきましたね。救国の英雄がえらく皆さん若く、どれだけ人材不足だったんですかこの国は……と思わず突っ込みたくなったのですが、まあいいんですそこら辺は!少女小説的に美味しいところがたくさんあったので!ということで、イーノットさんがはやく観念してくれないかなぁと続きを待ちたいと思います。

女神と棺の手帳 涙降る夜の秘密
文野あかね/高星麻子
角川ビーンズ文庫(2013.11)
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