銀の竜騎士団 ウサギが奏でる光の序曲 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

アズィールの侵攻からローレンシアを守るため、アルシェイドとしてアズィールにとどまり続けることを選んだスメラギだがアズィール皇帝はスメラギをスメラギ本人として扱う。一方、ローレンシアに保護されたあるシェイドに、シエラはとある協力を求める。

アズィール編の完結。

銀の竜騎士団本編10冊目でアズィールの帝位継承編の完結編。アズィールの問題はこの上なくきれいにまとまった……のかなぁ。うまくまとまり過ぎのような気がしますが、しかしあそこの兄弟はなんのかんのでみんな有能なのでまあなんとかなるかな、と。

で、今回の驚きはアズィールがなんとなくまとまってしまったことではなくて、常々こいつは不幸になりそうだ幸せになってほしいという感想を書き続けていたシリスさんでした。しょっぱなからシリスさん押せ押せの展開になりました今巻でしたが、実際に不幸ルート回避に向かうと「お、おぅ……」という感想しかでないという個人的になんともコメントに困るような、そーくるかー(あんまり深く考えて読んでいないので大体どんな展開が来ても驚ける)というかそんな感じで。まあ幸せならいいですよ……。

と、物語は暑い国を超えてスメラギさんの故国・東の大国に移る模様です。話が壮大になりすぎて障害しか見えないんですが、どう決着つけるのかは気になるのでぼちぼち待っていたいと思います。しかし、個人的にはもうちょっと殺伐とした展開でもいいんだけどなぁ、なんでも色ゴトに絡めなくても別にいいと思うの……。

銀の竜騎士団 ウサギが奏でる光の序曲
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2014.01)
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