影の王の婚姻 ふたりの王 / 天海りく

本の感想, 作者名 あ行天海りく

アドロフ公家で巻き込まれた神殿での密偵騒動と、いつまでも散らない薔薇の問題をなかなか解決できずにいたフィグネリアは、クロードと皇都から呼び出したザハールの助けも得ながらその真相を探っていた。

収まる所に収まった最終巻でした。

一冊まるまるつかってのエピローグのようなお話だなぁ、と感じた「影の王の婚姻」の最終巻。事件の真相を追う中で示されるフィグネリアとクロードの心の揺れに、そしてフィグネリアの選んだ道とクロードの決意などなるほどなー、と。相変わらずクロードさんはワンコでちょっと情けなくて、フィグネリアさんがヒーローなんだけど(笑)。そして確かにお騒がせな神霊とはちょっと距離をおいた方がいい……

皇帝のお兄ちゃんのあの大物っぷりが好きだったのですが、最後の二巻はあんまり出番がなくて残念。小さい頃からお兄ちゃんは大物だった!というエピソードがやっぱりよいものでした。お兄ちゃんズキーとしてはその辺りだけで満足してしまいそうな、そんなほっこりエピソードでした。

影の王の婚姻 ふたりの王
天海りく/犀川夏生
ビーズログ文庫(2014.03)
amazon/honto/BOOKWALKER