悪魔の花嫁と七つの大罪 / 秋月志緒

本の感想, 作者名 あ行秋月志緒

結婚式当日に「悪魔の贄」の印をつけられてしまったリシェルは、結婚はもちろん流れ、その日以来悪魔がリシェルを目当てに現れるため悪魔と戦い続ける日々を送ることになる。「悪魔の贄」についての情報を得ようと、悪魔研究をしているという第二王子テオドールの元を無理やり訪れたリシェルは、テオドールもまた「悪魔の贄」となっていることを知る。

気の強いお嬢さんはよいものなのです。

前のシリーズが妙に笑える(しかし時にシリアス)ラブコメだったので、今度も同じ系統を若干期待していたのですが打ってかわってだいたい表紙通りの雰囲気のお話でした。おれのみぎてがうずくぜー系の、なんというか(リシェルの従僕の言動以外は概ね)シリアスで、たぶんビーズログ文庫を読んでいるオトメたちなら一度はこの世界に傾倒したであろう、そんなかんじの(わかりにくい説明ですがわかりやすく言うとちゅうにびょうてきな)。
絶望するだけじゃなくて自分で未来を勝ち取ろうとするリシェルはかっこいいし、上手いようにリシェルを利用するつもりだったのになんのかんのとあらあら転がっちゃってという王子様は面白いし、リシェルの「因縁」はなるほどねーというところで少々感心していました。

リシェルの取った行動がかなり思い切ったもので、一応落ち着いたとはいえそれで丸く収まるわけでもなく、そして「招待状」まで来てるしなので続きも出るのかな。まだつんつんしている王子さまが華麗に転がるさまをもう少し堪能したいので続きが出るといいと思います。

悪魔の花嫁と七つの大罪
秋月志緒/サマミヤアカザ
ビーズログ文庫(2014.03)
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