宮廷恋語り 金の妃と春嵐の出会い / 響咲いつき

本の感想響咲いつき

田舎の貧乏商家の娘・翠凛は、止むに止まれぬ事情で新王の「金妃」を目指し、選考会に参加する。王の外交分野での片腕となる金妃になるため、全国各地から集まった美少女達にもまれる翠凛は、同室の少女らに助けられながらも奮闘していたが、新王の弟と面識があったため、彼にいいように利用されてしまい……

登場人物紹介見た時にこうかな、と思った展開でだいたいあってた。

ビーンズ文庫の第12回小説大賞優秀賞受賞作品。お妃目指して主人公が女の園で奮闘するよ!同室の子は面白い子ばかりだよ!イジメられたりもするけど前向きに頑張るよ!というお話でした。
登場人物紹介その他読んで、この人はこういう立ち位置かな~というところはだいたいハズレはなかったのですが、全体として展開が慌ただしいというかなんというかで、腰を落ち着けて読んでいる気がしませんでした。そして、王のブレーン的立場のお妃様を目指す割にはヒロインの覚悟が足りないというかなんというかで、こう、全体的に残念感が……。それに比べて割り切っている友人や、目指す道をまい進する友人らは軸もしっかりしてて頼もしかったんですけどね。ヒロインと友人たちとの対比という点もあるかもしれませんが、こう、なんかもったいない!

恋模様についてはなかなか期待の持てる展開で、こっちは結構よかったかなぁと思いますが、政治面/陰謀面が物足りないので差し引きするとどうしてもマイナス面が目立ってしまうように感じました。ビーンズ文庫なので続きも数冊出ると思いますので、今後はその辺りももうちょっと読み応えがほしいなぁと思います。

宮廷恋語り 金の妃と春嵐の出会い
響咲いつき/すがはら竜
ビーンズ文庫(2014.12)
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