あくまで悪魔!おまえにこの腕から逃れる術はない / 我鳥彩子

本の感想, 作者名 や~わ行・他我鳥彩子

魔王の気まぐれな一言に林檎作りが一大トレンドになった魔界では、林檎作りが得意な魔界の王子様ナハトが忙しい日々を送り、その横でナハトの花嫁として魔界に連れて来られたディオナが善行のチャンスを虎視眈々と狙っていた。そんなある日、死んでいないのに手違いで魔界に迷い込んでしまった高貴な魂がナハトのもとにやってくる。その魂はナハトの実兄で、何かの陰謀で毒殺されかかったらしく……

相変わらずアホな話と思わせてシリアス。

魔界の王子様とそこに連れて来られたお嬢さんのラブなコメディ2冊目。スピンオフだから1冊限りかと思っていたのですが、まだまだしばらく続きそうです。人間の魂を持つ元人間の魔族ナハトが「あくまで悪魔だ」というこの決め台詞、ただのダジャレかと思えばなかなか重たいものがあり、今回も人間か魔族かで揺れるディオナちゃんが可愛かったです。
ナハトのお兄ちゃんはかなり大物でいいお兄ちゃんだなぁ、とか、ディアナの家族もある意味大物ですごいなぁ、とか家族模様も楽しい一冊でした。あと、すごい適当な天使(笑)。この世界の魔族と天使のなんとも緩い関係が結構楽しいかもです。

あくまで悪魔!おまえにこの腕から逃れる術はない
我鳥彩子/深山キリ
集英社コバルト文庫(2015.01)
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