仮面婚約のたしなみ 騎士と淑女のかけもち生活 / 麻木琴加

本の感想, 作者名 あ行麻木琴加

家の事情で性別を詐称して男装し、「近衛隊の理想の王子様」道を爆走するルティウスに「身辺警護のために女装して国王の婚約者候補になる」という任務が言い渡される。昼は近衛騎士、夜は令嬢とルティウスの忙しい二重生活が始まってまもなく、王が近衛騎士団の解散を決定する。

ドタバタ男装(ある意味女装)ラブコメで楽しかったです。

男装して男として生活していたヒロインが、止むに止まれぬ事情でドレスを着て淑女にならなければならないお話1冊目。なんだか終始文字通り「ドタバタ」していましたが、そのドタバタが面白かったです。早替りか!と突っ込みたくなるくらい短時間で女装→男装(男装→女装)に変わるシーンなんかもうお約束ながらも笑いました。そしてドレス着てるのにナチュラルに王子様になるところなんかも様式美ながら楽しくて良いものでした。

難しい王様に食えない上司、ライバル兼親友の同僚やたくましい姉君、そして「好青年」としか言いようのないルティウス(ヒロイン)と登場人物もみんな楽しかったです。王様の最後の「始まり」は案外純情で笑ってしまいました。上司はたぶんルティウスの性別知ってるんだろうなぁ、とか王様と腹心の真相も気になるしなので続きも読みたい。

仮面婚約のたしなみ 騎士と淑女のかけもち生活
麻木琴加/成瀬あけの
角川ビーンズ文庫(2014.2)
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