赤と黒の針騎士 茨に誓う彼の名は / 永瀬さらさ

本の感想, お気に入り, 作者名 な行永瀬さらさ

「預言」がすべてを支配する大国ノルン王国では、代々「針姫」が「針王」と針姫の護衛役でもある赤と黒の「針騎士」を選び、針王と針騎士は年に一度くだされる預言を成就させ、国の繁栄を支えていた。当代の針姫ジゼラはとある理由から父である現針王に冷遇されており、人前に出るのは年に一度の預言がくだされる夜だけであった。

戦記モノの少女小説はとても好みです……(好き)。

前シリーズがデビュー作の永瀬さんシリーズ2作目。前作が「野菜」で次が「針」と、二作連続で、最初は読む前に一瞬考えてしまったのですが、タイトルから想像していたものとは違う、わりときっついところはキツイ硬派な戦記少女小説でした(野菜も「野菜」なのに根っこはシリアスないいお話だったのですよ………)。
少女小説の「宮廷モノ」も好きですがもっと好きなのは「戦記(的な)モノ」でして、これがわりとそれにドンピシャでひとりでテンション上がっていました。冷遇されている針姫のジゼラが、クーデター的なものが起こったところから腹心の騎士と脱出して、謎の協力者を得て、そして反撃の狼煙を上げるために潜入した街で力を得て……というワクワクな展開。人たらしのジゼラがひとり、またひとりと陥落させていくのが楽しかった(笑)。ジゼラの腹心の赤の騎士についてはもう最初からジゼラに対して甘いというか過保護なんですが、彼とジゼラの始まりの物語も読んでみたいなぁ。今回の主なミッションである「黒の針騎士」の叙任関係については、たぶんこうなんだろうなぁというところで落ち着いたのですが、どうやってそこに落ち着けるのかは若干謎だったのでこの辺りの展開は楽しかったです。

最後ちょっとバタバタしすぎているような気もしますが、全体的には好みなので続きも楽しみ。レーベルサイトには「新シリーズ」と銘打ってあるので続きも出ることに期待していますが、ビーンズ的売れ筋からは離れているような気がするのでちゃんと続くかなぁ……ちょっと心配。せめて3冊、できれば5冊位は続くといいんだけどなぁ……。

赤と黒の針騎士 茨に誓う彼の名は
永瀬さらさ/凪かすみ
角川ビーンズ文庫(2015.04)
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