赤と黒の針騎士 預言に挑む恋の名は / 永瀬さらさ

本の感想, 作者名 な行永瀬さらさ

赤と黒の針騎士を従えることになった王女ジゼラは、妹姫の結婚相手を見つけるための舞踏会を主催することになる。自分と違い父王に愛される妹ヒルデとほとんど姉妹らしいことをしたことがないジゼラだが、ヒルデをこちら側に取り込もうとヒルデのもとに向かい……

展開はやっと思ってたらもしかして2巻完結?

シリーズ二作目。預言がすべてを支配する国で、愛するものと結ばれないという預言を得た「針姫」ジゼラが預言に真っ向から対抗しようと頑張るお話。前回は虐げられていたお姫様が反旗を翻して腹心の騎士を手に入れたうえで父王から実権もぎとってさあここから、というところでしたが、今回は引き続き先代の針騎士たちがまるで小姑のごとくチクチクと、そして他国の思惑も、という展開でした。先代の黒の針騎士さんの行動基準が読めないなぁ、と思っていたら、わりと一歩間違えばヤンデレ待ったなしというところだったので、なんだか安心しました(ヤンデレ待ったなしという理由でもない限りそれはないだろうと言うあの手この手だったので、まあヤンデレならしょうが無いかなというある種逆説的な納得)。

途中からえらく展開が早いなぁと思っていたら、読み終わった後にそこまで行くのですか!と思い、そしてあとがきを読んでもしかして2巻完結コース(ですよねこれ)という記述で残念な限り。預言の解釈やらなんやらが若干ごちゃごちゃしていて読みにくいなぁと思っていたのも事実なんですが、こう、ジゼルがお姉さんする様子とか恋する乙女になるところとかがすごく楽しくて、これからも愉しみだなぁと思ってた矢先なので残念です。
わりに好きな展開が繰り広げられる作家さんなので、次の作品も楽しみにしております。

赤と黒の針騎士 預言に挑む恋の名は
永瀬さらさ/凪かすみ
角川ビーンズ文庫(2015.11)
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