出戻り乙女の(秘)稼業 告白は勇猛果敢! / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

帝の前で行われる御前舞台で帝を襲うという予告があり、春明と景彰はその劇団に潜入することになる。劇団員に剣を指南する景彰とその助手の春明という名目で二人は劇団に潜入し、内部調査を行い、春明は劇団の地下に怪しい部屋を見つける。

面白かったのに!(大人の事情で2巻で終わりました)

霊を取り締まる新人官吏の春明と、春明の上司で師匠で相棒で初恋の相手の景彰が怪しい劇団に潜入するお話。明らかに当て馬な春明の幼なじみ希聖くんが今回かなり頑張っていて、いけ!がんばれ!幼なじみがんばれ!と思っていたら、すごい勢いで春明と景彰の関係も進展していってまさかと思っていたら2巻完結コースだったという、そんな切ないお話でした。面白かったのに……この三角関係よかったのに……文野さんのデビュー作の当て馬くんもいいものだったので、この人の描く当て馬くんはきっととてもいいものなんだ……。

たぶん大人の事情で2巻完結だったので、一連の黒幕さん関連は無理やりまとめた感があるし、上司さんと帝さんが関係あるとか匂わせておいてそれだけか!と突っ込みたくなったりと非常に残念な点は多いものの、健気な女の子が恋して、がんばって仕事もして、思いを告げるあたりはよいものだったので次の作品も楽しみにしております。大人の世界は世知辛い……。

出戻り乙女の(秘)稼業 告白は勇猛果敢!
文野あかね/鳴海ゆき
角川ビーンズ文庫(2016.02)
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