空と鏡界の守護者3 / 小椋春歌

本の感想, 作者名 あ行小椋春歌

精霊祭の騒動を何とか治めたエリル達だが、間を置かずしてユークの育ての親と名乗るグリンダが学園に現れ、エリルやユーク、ターニアの心をかき乱す。グリンダに秘密を簡単に暴かれたターニアは、エリルの前から逃げ出してしまう。

想像していたより壮大なお話でした。

シリーズ最終巻、駄犬忠犬系年下ヒーロー(リト)にリトをうまくかわすめげないヒロイン(エリル)、飄々としているヒーローの親友(ユーク)にヒロイン一筋のヒロインの親友(ターニア)、謎の先生と人物配置だけ見ると学園ラブコメのようにも思えますが、2巻以降話が膨らんでいき最後は国や精霊術の根幹にもかかるようなお話に展開していき、読み応えがありました。

いい意味で初志貫徹、最後まで変わらなかったリトとリトの真っ直ぐさで救われたエリルやユーク、そしてターニアのチームワークが良かったです。そ、そこはもしかしなくても普通はリトとエリルが葛藤を抱えちゃったりするような展開では?とクライマックスちょっと前の展開に一瞬ツッコミそうになりましたが(決して面白く無いとかそういうことはなくて、もしろおもしろかった)、まあ、リト君は駄犬だしな……葛藤はあってないようなものだ……。

次のお話も楽しみです。

空と鏡界の守護者3
小椋春歌/ホームラン・拳
ビーズログ文庫(2016.05)
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