囚われの王子様は最凶でした / 香月沙耶

本の感想, 作者名 か行香月沙耶

ごくごく普通の人間リッカは、魔法の能力をもつ王女の付き人兼学友として、「魔物」としての能力を持つ者たちが人間の中で生活できる能力を身につけるために学ぶ学院に入学することになる。リッカたちの真の目的は、実母である元王妃に「さらわれ」てしまった王子を見つけ出す、ということ。しかし、元王妃に姿をかえられているらしく、王子はなかなか見つからなくて……

普通の人が異能の中に放り込まれたらそりゃ困るよね、というお話でした。

読み切り。王女様(異能力者)の付き人(普通の人)が異能力者しかいない学校で四苦八苦しながら王子様(比喩ではない)を探すお話。この展開じゃ、王子様この巻では見つからないぞ……と思ってたら見つかった上に王子さまが力技でハッピーエンドに持っていってしまいました……が、最後のハッピーエンドは正直なところ読者が若干置いてけぼりを食らうようなハッピーエンドだったと思いました……少女小説ってのは過程(か過程がなければその後のアフターフォロー)が大事なんだ。どっちもあるような、ないようなこのもやもや感は、もやもや感は!(たぶん複数巻前提ならこんな高速展開ではなくても大丈夫なんでしょうが、最近の少女小説はいろいろと世知辛いからなー)

設定自体はけっこうおもしろかったので、もうちょっとじっくりゆっくりの「おうじさまは、一体どこに!?」というワクワク感が味わえるようなお話だったら良かったのになぁと思いました。

囚われの王子様は最凶でした
香月沙耶/蔦森えん
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