幽霊伯爵の花嫁4~偽りの聖女と地下牢の怪人~ / 宮野美嘉

本の感想, 作者名 ま行宮野美嘉

怪人の幽霊に狙われている令嬢イゼットとその婚約者を保護することになったコルドン家。怪人を恐れるイゼットがジェイドから離れず、その上、ジェイドの寝室に潜り込むという事態まで発生してしまう。事件を解決して早く二人を屋敷から追い出すことを決意したサアラは、独自に行動をはじめる。

事件の顛末にちょっとびっくり。

夫婦喧嘩が勃発するお話。とはいっても、あのサアラのあのジェイドなので、ジェイドはもちろん受け身一辺倒で、なんだか奇妙な夫婦喧嘩でした。そして、屋敷中がサアラ派になるという(そりゃそうだ)。プンスカしてるエリオスくんが可愛かったなぁ。エリオスくんにはぜひともこのまままっすぐ成長してほしいものです。あとは、今巻から正式にコルドン家在住の幽霊に仲間入りしたフィナのマイペースというかなんというかの参謀ぶりが楽しかったです。

それはさておき、今回の事件の顛末は、中盤以降からえらい方向に舵を切り出して、最後はなるほどねぇでも後味悪、というような展開でした。この一筋縄ではいかないところがこのシリーズの醍醐味ですよね。サアラの無双ぶりと、サアラにかかってしまえばすべて大したことないようにお思えてしまうところも相変わらずすごいなぁと思ってしまいました。

幽霊伯爵の花嫁3~偽りの聖女と地下牢の怪人~
宮野美嘉/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2012.5)
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