幽霊伯爵の花嫁5~悪魔の罪過と忘れられた愛嬢~ / 宮野美嘉

本の感想, 作者名 ま行宮野美嘉

公爵領での幽霊事件の解決に向かったジェイクは、そこで10年分の記憶を失ってしまう。ジェイクをもう一度自分に惚れさせると宣言したサアラは、ジェイクに拒絶されながらも果敢にジェイクに挑んでいく。一方、ジェイクの追う幽霊を追って、他家の墓守・ギルとミゼルカが公爵領にやってくる。ジェイクの記憶喪失の原因をなんとかできるが、元に戻す協力はしないとギルは言い切って……

ギルさんとミゼルカさんがいろいろと強烈でした。

ジェイクが記憶喪失になるよ、ついでにコルドン家以外の墓守もちゃんといるんだよ、というお話。今回のゲストキャラかつ、墓守のギルさんとミゼルカさんが色んな意味ですごかった。実はちょっと勘違いしてたんですが(刊行から数年経ってるのでネタバレしてもいいかなぁと思いつつ、まあやめておこうという良心がささやくので細かいところは書かないでおきます)、この勘違いは「宮野さんだったらきっと別にこういう設定でもおかしくない」という私の思い込みがなした技ではあるものの、このミスリードのお陰で、終盤なんだってー!という驚きに繋がったので良しとします。私の察しが悪いだけという説もございますが。

ジェイクが記憶喪失になったにも関わらず、悲壮感ゼロでジェイクに猛烈アタックをかけるサアラは流石だなぁと思いました。思考回路が10年前なので、ジェイクの10年後の自分に対するツッコミが非常に面白かったです。ちょっとしかなかったですけど。そして、エリオスくんが相変わらずいい感じに真っ直ぐな少年なので、このまままっすぐ育ってほしいなぁと改めて思いました。

幽霊伯爵の花嫁5~悪魔の罪過と忘れられた愛嬢~
宮野美嘉/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2012.08)
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