王女フェリの幸せな試練(全2巻) / 時田とおる

本の感想, 作者名 た行時田とおる

生まれたときに「相手を魅了する」という強すぎる祝福を受けてしまったため、会う人会う人全員から崇拝されるという事態に傷つき、引きこもりになってしまったフェリシア王女は日々趣味で特技のドレス作り・小物作りに精を出す日々を送っていた。隣国ディアマントのベルホルト王子の要請を受け、ディアマントの祝祭を手伝うことになったフェリシアは、従兄で従者のアロイスとともにディアマントに向かうことになる。

後ろ向きな王女様に真っ直ぐな王子様の、ここだけ見たらストレートな少女小説面白かったです。

ビーンズ文庫の2冊完結でのシリーズ、強すぎる祝福は呪いと同じという状況の王女様と、そんな王女様の心の扉を少しずつ開いていく好青年以外の何物でもないような王子様の、立ち位置だけみたらストレートな少女小説なんですが端々がちょっとひねってあるお話で面白かったです。子虎かわいいし、王子様の従者は失礼なのに楽しいし、なにより王女様の従者のアロイスさんがね……。王女様の引きこもりの原因の8割位はアロイスさんにあるとはいえ、ちゃんと責任取って王女様をずっとささえてたし、王子様と王女様の恋もちゃんと(憎々しく思いながらも)ちゃんと応援するって素晴らしいポジションですね……。2巻は内容盛りだくさんで主役二人のラブコメが少々影薄かったのが残念ですが、まーきれいに大団円でいいかなと思いました。

実は、1冊目は電子書籍の無料フェアで読んだんですが、結構面白くて、え、ここで終わるの続きは???と思っていたら2巻がすぐ出たので、(無料分が閲覧期間の制限あったので)1巻買い直して2巻もお買上げ、という、売り手側の思惑に完璧にハマったちょろい読者でした。

王女フェリの幸せな試練
時田トオル/深山キリ
角川ビーンズ文庫(2016.08)
amazon/honto/BOOKWALKER

王女フェリの幸せな試練 祝福のベールアップ
時田トオル/深山キリ
角川ビーンズ文庫(2017.1)
amazon/honto/BOOKWALKER