聖剣が人間に転生してみたら、勇者に偏愛されて困っています。 / 富樫聖夜

本の感想, 作者名 た行富樫聖夜

18年前に魔王が封印されるときに折れてしまった聖剣の生まれ変わりであるルティアは、冒険者ギルドに属しつつ、魔王とともに眠っている聖剣の勇者のもとに向かうために最後の戦いの地に向かうべくお金を溜めていたが、ギルドの長である養父からの許しを得ることができずにいいた。そんなある日、街に上級の冒険者アルドがやってくる。名前は違うが確かに自分の勇者アシュであることに気付いたルティアだが、昔のアシュとは全く違う落ち着きぶりに戸惑いを覚える。

「タイトルの状態に至るまで」のお話でした。

前作がラブコメのコメが重めかと思わせておいて実は壮大なラブストーリーだったという冨樫さんの新作(※ただし、感想書くのが遅くてもうすぐ二冊目がでる)。タイトルからしてベッタベタのラブコメかと思っていたんですがベッタベタ(物語のプロローグ状態)になるまでのお話という若干タイトルに騙された感の1冊目でした。肩透かしもいいところだ!(という気分になりました:面白い等の感想とは別次元の苦言)

ヒーローポジションのアシュ(アルド)は聖剣に対する愛が深すぎて、どこへ行くにも一緒状態で、それを横で見る聖剣の生まれ変わりルティアが微妙な恥ずかしさを持て余すのがお約束とは言え面白かったです。そして「聖剣に転生した」というところが一番の問題かと思いきや、いろいろとややこしい背景があって随分と壮大な話に……。ラブコメ成分は多分次巻以降に期待というところだと思うので続きも読もうと思います。

聖剣が人間に転生してみたら、勇者に偏愛されて困っています。
富樫聖夜/カスカベアキラ
ビーズログ文庫(2017.06)
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