薬草令嬢ともふもふの旦那様 / 江本マシメサ

本の感想, 作者名 あ行江本マシメサ

極度の口下手ぶり(と領地が田舎にあるという理由から)男前ながら結婚相手を見つけられていない伯爵レナルドは、とある夜会で理想の令嬢メレディスと出会う。メレディスもまた、適齢期を迎えていたが趣味の「薬草づくり」が響いて結婚相手を見つけられないままでおり、このまま修道院に入る予定を立てていた。レナルドは、結婚を前提に伯爵家でのメレディスの行儀見習を提案し……

もふもふは正義。

新月以外の夜は狼になってしまう伯爵家の当主様と、趣味(薬草づくり)のおかげで修道院入りを見据えた人生設計を立てていた令嬢とのなんともくすぐったい少女小説(というジャンルが一番しっくりくる)で楽しかったです。
狼のときは雄弁なくせに、人間になるとメレディスと上手くコミュニケーションを取れないレナルドがかわいい(笑)。
全体的にほのぼのとしてて、事件も起こることは起こるんですが国を揺るがす大事件!というようなものでもなく、一山越えて二人の絆が強くなりましたという事件で安心して読めるお話でした。内容と展開から、児童書でもいいくらいかもしれない……(安心安全)。もうちょっとスリルがほしかったという気持ちもありますが、しかしここまで心穏やかに読める物語も貴重なので、これはこれで十分ありだなぁ。

第二弾として、始終犬(狼)だった叔父上のお話もあるようなので、また近い内に読もうと思います。

薬草令嬢ともふもふの旦那様
江本マシメサ/カスカベアキラ
集英社コバルト文庫(2018.4)
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