主観と趣味で構成された作品紹介‖遠征王シリーズ(全5巻)

 ジャック・ザ・ルビー 遠征王と双刀の騎士
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

見合いから逃げ出してきたパルメニアの女王アイオリア(オリエ)は街でジャックに出会う。相棒に約束をすっぽかされていたジャックはオリエを新しい相棒に迎え、トーナメントに出場するために二人でステラマルゴに向かう。
ステラマルゴのトーナメントに優勝したのはいいものの、いつの間にか愛人22号と24号として城に軟禁されてしまった二人。しかもステラマルゴにホークランドの軍勢が迫っているらしく、二人は絶体絶命の危機に……
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おっとこ前な女王様と、彼女に出会ったが故に大騒動に巻き込まれるジャックの大冒険。まだ一冊目なのでそんなに重くないんだけど、でも芯の部分はシリアスモードが全開。
この作品は漢字開きすぎて少し読みにくいんですが、以降の巻はそんなことないので大丈夫。

 エルゼリオ 遠征王と薔薇の騎士
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

空いた愛妾の座を埋めるべく、自ら薔薇の騎士としてジャックを連れて愛妾探しに出かけたアイオリア。途中、ジャックの元相棒であるガイと出会い、ガイ一押しの美女―ガイの養女アデライード―をスカウトするためにガイの故郷であるルルドに向かうことになった。
そして当のルルドでは、とあることから領主がエルゴーネを抑圧しており、エルゴーネの我慢も限界に近づいていた。その不和につけこんでミルザ率いるホークランドがルルドに攻勢をかけてくることを知ったアイオリア達は……。
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メインキャラはこれでたぶん全部揃った2冊目。そして歳の差ラブに身もだえどうそーというようなお話です。ここらへんからミルザが神出鬼没になってきましたね。謎な人。

 ドラゴンの角 遠征王と片翼の女王
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

最愛の従姉・ゲルトルードが結婚、しかも相手は変態ロゼッティ……。
アイオリアの目の前に衝撃の事実がほとばしる。なんとしてもゲルトルードの結婚を阻止したいアイオリアは、トーナメントで勝負を付けるべく、彼女の側に立って戦ってくれる騎士を捜す旅に出た。ジャックと二人で向かったシングレオ騎士団でいつの間にか倉庫の整理をさせられている時に見つけた剣は、かの英雄シングレオの剣であるエヴァリオットだった。
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対ホークランドは(表だっては)少しお休みで、今回はアイオリアを正当な王として認めない反対派との争いという内乱を描いたお話。ラストのトーナメントは各キャラの個性が出ていてすごく楽しい。

 尾のない蠍 遠征王と流浪の公子
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

歴史はあるが超絶貧乏国ボッカサリアの少年王・ルキウスの戴冠式に出席することになったアイオリアはそこでかつての夫であるホークランドの将軍ミルザに再会する。ミルザの策略にはまりホークランドと戦うことになったボッカサリアは、オリエの力を借りて立ち向かうことになるが……。
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この巻の最初の山場であるオリエとミルザのダンスシーン、迫力があってかなりのお気に入りです。そしてもう一つの山場、ボッカサリア戦も燃える展開で大好きです。

 運命よ、その血杯を仰げ 遠征王と片腕の銀騎士
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

行方不明になったオリエの安否を気遣うナリスはゲルトルードの命を受けアイオリアを取り戻すために動き始めていた。一方ホークランドでは、政変が起きミルザの地位が危ういものになり……。
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前巻のあの状態からの続刊ですから、2冊連続で読めるならそうした方が心臓に悪くないという最終巻。サブタイトルが不吉なものでもうどうなることかと思っていたけど、とりあえずラストはハッピーエンド。主役だけでなく周囲の登場人物達もあるべきところに丸く収まったので大満足。

 遠征王と秘密の花園
     角川ビーンズ文庫・イラスト:麻々原絵里衣

長らくアイオリアの第一夫人を務めていたオクタヴィアンが突然の辞意を表明する。なんとか彼女を押しとどめたいアイオリアはオクタヴィアンととある賭をする。オクタヴィアンがとどまるか、花園に新しい「男」の愛妾が入るか。
かくして王宮全てを巻き込んだ壮大なる「かくれんぼ」が開催されることとなった。
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お話としては、三冊目(ドラゴン)と四冊目(蠍)の間に入る話です。八割方がはちゃめちゃな展開になってました。とにかくパワフルな女性陣にアイオリアの愛人かと疑われる男性陣。そしておいしいところをかっされっていくゲストキャラのあの人やこの人。新旧いりまじりでとても豪華な特別番外編となっておりました。

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