主観と趣味で構成された作品紹介‖そのときシリーズ

 そのとき翼は舞いおりた
     角川ビーンズ文庫・イラスト:小田切ほたる

父親の借金のカタに人買いに売られてしまったフランチェスカは売り飛ばされる道中に山崩れにあってしまう。そんな彼女を助けたのは”鉄拳王”ギャリンガム。ギャリンガムは生きたいと強く願うフランチェスカに悪神ゼフリートの籠手”タングレート”を継承させた。
しばらくはガザーラで商人見習いとしてその商才を発揮しつつ平穏にくらしていたフランチェスカだが、友人を助けるためにトーナメントに出場することになってしまう。タングレートを継承したことによって最強の腕力を得ていたフランチェスカはトーナメントに優勝するが、それと同時にフランチェスカの存在がガザーラから「なかった」ことにされてしまった。そしてフランチェスカの前に現れる謎の青年。なぜかフランチェスカを慕ってついてくる”絶対無敵団”を率いて、青年の依頼主の元に向かうことにしたフランチェスカは……。
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今度のシリーズ、主人公は正真正銘の女の子なんですがなんか違う(笑)。やっぱり腕力最強というのが一番のネックかと。いや、腕力以外にもフランの思考回路はすごいと思うんですが。

 そのとき鋼は砕かれた
     (角川ビーンズ文庫・イラスト:小田切ほたる)

人(ヒリス)とは違う種族であるカリスの治める国・エシュロンを目指すフランと絶対無敵団のご一行。シグルドの子作り宣言に度肝を抜かれるフランであったが、期待に胸をふくらませて旅路を進めていた。そしてエシュロンの首都・天空都市についたのはいいものの、人間の常識からすると別世界のエシュロンでは男女は全く違う街で暮らすという決まりで、フランはシグルドと離ればなれになってしまう。シグルドに会うために男女が愛をかわすための街に行ったフランは、なぜかエシュロンの次期皇王オシリスの養女候補になってしまう。
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エシュロンのシステムに驚きつつも、順応しながらやっぱりそこでも商魂たくましく生き抜くフランがいいですね。増殖していく無敵団が素敵だ。


 そのとき君という光が
     (角川ビーンズ文庫・イラスト:小田切ほたる)

ゼフリートの後継者を追ってホークランドに向かっていたフラン達一行だが、パルメニアの首都ローランドで足止めを食らっていた。そこで見かけたホークランド皇太子の愛妾はフランのよく知る人物でしかもゼフリートの仮面を継承していた。彼女に会うためにフランはパルメニアの有力者の養女となり、城に乗り込む。
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仮面の継承者のフランに対する執着心は以上という他ないですね。愛憎は表裏一体とはまさしくこのこと。ミルドレッドもすこし怪しい方向に向かっていくので次が大変気になるお話でした。救いがないことはないんですけど、なんというか。


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