Aug.26.2006(Sat)
宝塚大劇場

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へろへろタカラヅカ鑑賞録 (注:素人のたわごとをとりとめなく)

■星組 愛するには短すぎる / ネオ・ダンディズム 編

若干ネタバレがありますのでネタバレ不可の場合は回避推奨

星組のミュージカル・愛するには短すぎる、そしてレビューのネオ・ダンディズムを鑑賞してきました。

『愛するには短すぎる』は、”船上での限られた時間での愛の物語”というストーリーからめちゃくちゃシリアスな展開を予想していましたが、そんなことは全くありませんでした。とにかく、安蘭さん扮する主人公の友人アンソニーがおもしろくて!湖月さんasフレッドとの「男友達とのやりとり」というのが面白くもあり、そしてとてもかっこよくもありました。
ラブストーリー面でも思わずホロリときそうになるよいお話でした。再会から船を下りるまでの限られた時間だけの束の間の恋人、と盛り上がらずにおられましょうかという状況で、あまりにもいい人過ぎるフレッドと一歩引いたバーバラのお陰でなかなか盛り上がりません。この盛り上がる(=フレッドが吹っ切れる)までの過程が大変よかったです(主にアンソニーの絡み具合等において)。
結末は私好みの大円団ではありませんが、でも、「決して言うまい、愛するには短すぎると」というあの場面、あの後ろ姿を含めやっぱりかっこよかったです……。


『ネオ・ダンディズム』、めちゃくちゃダンディな方たちがかっこよいダンスを披露して下さるのだろうと期待に胸をふくらませておりましたが、すいません、私が間違っておりました。ダンディの定義が全く違いました。ただかっこよいだけではダンディとは言えません。このショーを見たからには「執事がダンディーで素敵」「ダンディーなおじ様がかっこいい」等とはおいそれと簡単には言えません。安蘭さんの解説によると、なんでもダンディズムとは19世紀のイギリスの何とかいう貴族によって生まれたもので男のエレガンスで滅びの美学だそうです。ダンディとはクールで大胆な男の中の男だそうで……、歌に歌われていたダンディの具体例がシャーロック・ホームズから土方歳三、ショーン・コネリーと四方八方に及んでいて、ダンディズムとは何とも深いモノだと感銘を……、話がそれました。とにかく、おいそれとダンディーで素敵とは言えません。なんせ男のエレガンスで滅びの美学ですから。
レビュー自体は激しいダンスナンバーが目白押しのエネルギッシュな舞台でした。とにかく、踊りがかっこいいんですよ……。最初のダンディたちもかっこよかったんですが、やっぱり圧巻は近未来っぽいところで踊ってたアレです(たぶん、惜別の場面)。

退団公演と言うこともあり、各所にちりばめられていた「最後」を意識する演出の数々がうれしくもあり、そして最後なんだなーとしんみりしてしまう面もありの盛りだくさんの公演でした。