マレ−シア

−マレーシアでカモられかける話−
(注:大半がネガティブな文章です。それが嫌ならとばして下さい)カモられかけた話に直行(※長文)

帰り、飛行機の乗り継ぎの関係で、早朝から夜中まで約18時間のクアラルンプール滞在。
これは、マレーシア観光しかないだろう、ということでマレーシアにいざ入国。
「モスク、王宮〜」と浮かれていた私に向かって、連れたちが一言。
「買い物」
民主主義の基本である多数決の原理により、マレーシアではクアラルンプールでの買い物となる。

---最初に、マレーシア総括---
もう、何かない限り行かないと思う。今回は機会があったからいったけど。
街はあんまりきれいじゃないし(清潔な街に慣れていたせいもあるけど)
カモられかけるし。
暑いし。
空港での両替腹立ったし。金返せ〜。
ショッピッングするなら安くていいと思うけど、私は興味ないのでパス。
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空港から市街地まではバスで約1時間。
そのバスに乗るまでにいろいろ苦労したが、私の知ったことではない。
マレーシアという異文化観光の野望をあっさり断念せざるを得なかった私は、やる気全くなし。
いつも先頭切って特攻かけていた私は、今回は始終後ろの方でぼへーっと機嫌悪そうについて行くだけ。
(長旅で疲れてたというのもあるしな)

さて、市内について、電車に乗って、まず腹ごしらえ。
変なものを食べるのも嫌なので、スタバに入る。
連れ曰く、日本のとあんまり味は変わらないそうだ(わたしゃあんまり行かんから知らんよ…)。
しかし、日本より安いのでお得だとか。

歩きに歩いて、お目当てのショッピングセンター『なんとか10』(覚えてない)にたどり着く。
この時点で、ヨーロッパの涼しさになれていた私は、この蒸し暑さに元からない戦意が限りなくゼロに近づいてしまう。
それはさておき。ガイドブックによるとこのショッピングセンターはクアラルンプールでも指折りのショッピングセンターらしい。


さてはて、そんなショッピングセンターでウィンドウショッピングを堪能している連れがのたもうた。
「マレーシアっぽい土産ものがほしい」
ここで私は一気に機嫌悪指数が上昇してしまう。
「○○(地元のショッピングセンターの名前)に日本っぽい土産もん売ってるか?売ってへんやろうが。
近代的なショッピングセンターに普通売っとるか?普通、土産もんは観光地に売っとるものやろ!」
とまくし立てたいのを心の奥でぐっとこらえて(最終的には、後で言ったけど)、ウィンドウショッピングのお供をする。

店は日本とほとんど変わらず、かわいい服とかがいっぱい。
買うつもりの毛頭なかった私は、入っても意味ねぇ、ということでそこら辺で人ウォッチングをしていた。
連れたちは、一旦店に入ったらなかなか出てこないので、人ウォッチングはしたい放題。
そんな不機嫌全開の私に、フレンドリーに話しかけてきた奴ら(おばさんふたり組)がいた。
(以下、全部英語)

奴ら「あら、あなたとても眠そうね」
私「はあ、長旅で疲れてますので」
奴ら「私たちは中国からきたんだけど、あなたはどこから?」
私「ドイツ」

どう見てもバリバリ東洋人がヨーロッパの国名答えたので、奴らは笑顔の中に一瞬怪訝そうな表情を浮かべた。

奴ら「いえ、ちがうの。どこの国の人かしら?」
私「日本」
奴ら「ここにはどうして?」
私「ドイツからの飛行機の乗り換えの都合で、一日あいたので」
奴ら「あら、一日も?大変ね」

どうも、奴らのペースに載せられてる気がしなくもない。そして会話は続く。

奴ら「日本のどこからきたのかしら?」
私「大阪」
奴ら「まあ、奇遇ね、私の妹、△大学(大阪の大学)に留学しているのよ」

ここらへんから、だんだんきな臭くなってくる。
京大とか東大とかじゃなくて、近畿圏では結構有名な、微妙なところの私立大学の名前を出してくるところがいかにも真実っぽい。

奴ら「ねぇ、名前教えてくれない?」
私「何で?」
奴ら「私の妹に大阪であったときに…」

なんで奴らの妹に会わなければいけないんだろう、と言う疑問を口にする前に、向こうが一気にまくし立ててくる。

奴ら「だから、大阪で妹に会ってほしいのよ。だから、妹にあなたの名前伝えておくから」
私「はぁ、山本です」

本名出すのもばからしいので、適当に山本と答えておいた。
そしたら向こう、笑顔で自己紹介してきた。
そして、握手を求めてきた。で。なぜか「よろしく」と抱きつかれた。

奴ら「じゃ、今から家にこない?私の家は…」
私「何で?」
奴ら「だって、妹に…」

また妹かい。
彼女たちの中で私は妹の友人になる、ということになっているんだろうなぁ、位の認識しか、このときの私にはなかった。

私「いえ、時間がありませんので」
奴ら「空港のすぐ近くなのよ。<空港に行く急行列車>の途中」
私「だから、時間が」
奴ら「次の飛行機がでるのはいつかしら?」
私「夜中」

馬鹿正直に答えてしまったため、「夜中なら大丈夫。空港まで送るわ」と、奴らは執拗に私を家に誘い続ける。
そして、このとき私はやっと気付いた。

カモられる。
聞いたことがある。かねもってそうな日本人(ターゲットは若い女)に、フレンドリーそうに近づき、
(理由はたいがい「妹が日本語の勉強」「身内が日本に…」)
家に連れて行き、賭博をさせ、最初はおもしろいように勝たせる。
しかし、気付いたらカモられている方は大負け。
そして、逃げるすべをもたないカモからたんまりお金を奪うという寸法。
ばっちしやん。
それに気付いた私は、なぜかうれしくなり(何ででしょうね…、ヒマしてたからでしょうか?)、
でも、面倒くさかったから彼女たちにお引き取り願うことにした。

私「私は友達と一緒に来ています。彼女たちと離れるわけには生きません」
奴ら「何人で来ているの?」
私「3人」
奴ら「じゃ、問題ないわ。お友達も一緒にいらっしゃいな」
私「問題あります。私は確かにヒマしてますけど、彼女たちはここで楽しんでいます」

と、「とにかく、来い」だの「友達説得してこい」だの、「来て損はない(話がずれてないか…?)」だの言い続けて、ひつこい奴ら。
私、もともとたいした英語力もないので英語で話すことが面倒になり、だんだんむかついてきたのでとうとう最終手段に。

『あんたら、しつこいって。さっきから私は行かれへんって言ってるやろ。
友達連れてこい?冗談、あいつらが来ると思ってんの?
それに、何?大阪に妹?見え透いた嘘もたいがいにて。
あんたら私のことカモにしようと思ってるんやろ。
それやったらこんな貧乏そうな学生つかまてんと、ブランドものに身固めたお金もってそうな人相手にし』

と大阪弁で低い声で笑顔でまくし立てて、相手が何も言えないうちに
「それじゃ、残念ですけど」と言うと、奴らは理解したのかすごすごと引きとっていった。


やっぱり、喧嘩の最終手段は地元の言葉でまくし立てる、やね。


そして、しばらくしてやっとこ店から出てきた連れたち。
「いいのあんまりなかったわ。次いこ」

…、人が苦労していたときに。お前らは…。しかも、長時間居座って結局いいのなかった?
限りなく0に近かったやる気が、マイナスになった気がした。

しかし、カモられかける、という貴重な楽しい経験ができた。
この経験を元に、今度の海外旅行(いつになるんだか)はがんばってみようと思う。

Fin

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