2001年7月の本の感想


 楽園の魔女たち 〜間違いだらけの一週間〜
樹川さとみ・集英社コバルト文庫【bk1

前巻で崩壊した楽園を巣立ち、新しい生活を始めた4人の物語。今回はあとがきにもあるとおり「幕ノ内弁当」的にいろんな話が同時に進んでいきます。中でもダナティア殿下とサラの伏線が恐ろしく気になる・・・。
今回はまたまたファリスがかっこいい。挿し絵もいい!どうやら皆さん衣装チェンジを行ったようで今までとは違ったコスチュームのようです。といっても、殿下とマリアははいつも通りか・・。

そうか、そういえばそうだな、と思った一文
「見て下さいよ、これ、このサイン。天下の皇女殿下に、男爵夫人、おまけに騎士と、法学・理学博士ときた!」
そういえば、そうだったよな。この四人って考えてみれば肩書きからみて本当にゴージャスメンツだな。
07/28/01 ↑TOP
 『星の落ちた日

 シャドー・イーグル 3
片山奈保子・集英社コバルト文庫【bk1

<鷲神>の真澄、<狼神>の章、<狐神>の美月、<虎神>の育郎の四人は飛矢田の四獣神。日本各地に散った呪獣魂を回収するために日々戦いを続ける。

今回のお題はストーカーと女子大生のジレンマ。
それなりに面白かったとはいえいえ、わたしの中ではシャドー・イーグルは今のところ一冊目が一番よいです。特に今回、読んでいる時はあんまり気にならなかったのですが、ちょっと下に走りすぎです、作者様…。
しかしながら、今後につながっていきそうなかなり気になる伏線も出てきて、結構次を楽しみにしています。
07/27/01 ↑TOP
 

 キル・ゾーン  地上より永遠に
須賀しのぶ・集英社コバルト文庫【bk1

メチャお気に入りな作家さんの大長編の最終巻。最後まで本当にドキドキする展開で、久しぶりに心の中は大号泣でした。もうこれで終わりかと思うと、ページめくるのが何となくもったいないような気がしてしまいました。
大円団で、それなりにハッピーエンドですし。ラファエルを口説くキャッスルがまた凛々しいし。あんな風にかっこよくずばずばものを言える女性って本当に尊敬します。
火星と月との争いもいつの間にか決着しているし、天晴れな最後を飾る人たちはいるし。一番壮絶なシーンとか、書きたいことはたくさんあるのですがどうも思いっきりネタバレになるみたいなのでやめておきます。
とにかく読んでいない人は読んでみるのがいいかと。ただし、このシリーズは外伝的なものも含めて全部で24冊あるみたいですから・・・。読むのなら一冊目「キル・ゾーン ジャングル戦線異状あり」から。私は最初の方(治安部隊がボルネオでぶらぶらしている頃)ののほほんとしているキルゾーンがなんか好きでした。

お気に入りな台詞
「ただ、どういうわけか皆さん、僕をみるとバナナくれるんですけど・・・なんでだろう」
……、バナナをあげたく気持ち、よく分かります。
07/27/01 ↑TOP
 

 ブロア物語 黄金の海の守護天使
榛名しおり・講談社WH【bk1

お話はというと、大ざっぱ言うと、12世紀後半のイギリスとフランスの話。この時代はイギリスとかフランスとか、きっちりした国が形成されてなくてここで説明し出すと長い(というか、できない)ので割愛しますが。リチャード獅子心王vsフィリップさんの話で恋愛絡めたというか、ね。
私はリチャードファンなのでこのお話は少し不服です。いやんな感じの兄ちゃんに成り下がっているから。あと、ヒロイン・レイチェルのアホさ加減にもちょっとよんでてむかむかと。彼女はいわゆる私の一番嫌いなタイプかも。だから共感は全くできませんでした。でも、フィリップはなかなかかっこよかったかも。
この時代の好きな人が読んだら、どうだろ。うちの兄が読んだら(読むことは絶対ないと思う)ちゃぶ台ひっくり返すくらいの勢いかも知れない。下の「王女リーズ」でも言っているように、すてきなラブストーリーとして読めば何ら問題はないのかも、知れません。
07/20/01 ↑TOP
 

 王女リーズ チューダー朝の青い瞳
榛名しおり・講談社WH【bk1

エリザベス一世がモチーフですね。「こんなわけあるかい!」と突っ込みを読みながら入れてはいけません。すてきなラブストーリーと思って読めばいいのです。そう思って読めば楽しめます。
ウソものであろうとも歴史物好きな私には「マリア」同様、なかなかツボなお話でした。セシルに惚れた・・・。
男女の愛って色々な形があると思うのですが、私の推奨する(?)形ってのとちょっと違って「むむむ」と思ってしまったのです。史実に近くなるように照らし合わせたら、エリザベス一世の立場からもしょうがないんだろうけど、私は「マリア」のような終わり方(くっつきかた)がいいのです。つまり、結婚してハッピーエンド(「マリア」は正妻じゃなかったけれど。まあ、これはこの際置いておこう)。

で、結局はというと。王女リーズはマリアよりも話の展開がしっかりしていたとはいえ、どちらかといえばマリアの方が私は好きです。
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 マリア ブランデンブルクの真珠
榛名しおり・講談社WH・本体563円・【bk1

何となく読んでみたかったけど機会がなくて、某所で発見したから読んでみることに。
なかなかいい感じです。ちゃんとした男女の恋愛もの。ところがどっこい、読み進めていくうちに最初の大前提を忘れていってしまいました。そう、主人公カップルは14才と28才……。下手したらロリコン……。
しかも14才のマリアちゃん、こんな幼いのに踏んだりけったりです。よくも人間不信にならなかったものだ。
ちょっと納得できない部分もあったりしたんですがおおむね良好。マリアを取り囲む男たちの三者三様の愛の形とでもいいましょうか……。いいなぁ、モテモテ。それらの愛の形で、一番心に残るのは家族愛でしょうかね。いろいろありますが、やっぱりテーマは愛です、愛。
07/07/01 ↑TOP