2002年8月の本の感想
黎明に向かって翔べ
高殿円/麻々原絵里依
(イラスト)・角川ビーンズ文庫・【
bk1・
別窓版】
道に捨てられた動物を拾って来るという癖をもつ蘭国の王子・太伯が拾ってきたのは、不吉といわれる赤い瞳をもつ少女。珊瑚と名付けたその少女を拾ってきたおかげで、皇帝に二心を疑われながらも、太伯は国のため、父のために働き続けた。
遠征王シリーズとは、同じ世界だけど別口のお話(実は、びみょー(?)につながっております)。チャイナ風ファンタジーで、難しい漢字が一杯です(笑)。国を滅ぼすと予言された王子と、不吉の証である赤い瞳をもつ少女の、ラブロマンス、かと思いきや、ラブの割合が低い…。これは、ひとえに太伯の鈍感さがなせる技だろうか。”愛情”というものが錯誤して、すれ違って、利用されて…、根幹は暗い話だったな。あっと驚く展開で(メイン部分も、ちょっとした部分も)、最後まで楽しく読むことができました。最後はオマケであの人もでているし、ね。珊瑚や鴨さんが、とてもプリティーでした