2002年4月の本の感想


蒼い湖水 キターブ・アルサール
[朝香祥・角川ビーンズ文庫【bk1

エラーンを追われ、”風の民”のもとに身を寄せること二年。ようやく掴んだ兄・ファランの消息に喜ぶアルセス。アルセスはようやく再会を果たした兄とともに、ディラムの奴隷となってしまった姉・アイシアの救出を計画する。

ファラン兄上、兄上が素敵。アルセスがなつくのもよく分かります。ここまで”ヒロイン”の条件を満たしている主人公の身内(しかも男)は久しぶり。前の話から2年たっていて、アルセスもずいぶん立派になっていて読んでいてうれしかった。そして、サイード(敵)も素敵。アイシアとのラブロマンスはあるのか?サイードの身内もおもしろい人揃い。妹のサルジュがかわいい元気な女の子でよい感じ<→もしかしたら、アルセスのアフドの巫女は彼女、なんてことはないかな?女の子キャラ、他によい具合なのはこの子しかいないし←>。いや、とにかく、今回は皆さんかっこよかったです。早く続きが読みたいな。
04/30/02 ↑TOP
 『キターブ・アルサール 赫い沙原

血に染まる薔薇 / 薔薇の帰還
ゆうきりん・集英社コバルト文庫【bk1】・【bk1

意に添わない結婚をしたスターリング。彼の生きる目的はただ、「クラウスの敵をとる」ことのみとなっていた。一方、死んだものとされていたクラウスは、ラプトシャンのごたごたに巻き込まれつつも、なんとかラグランドに帰還する。そんなクラウスを待っていたのは、最愛のロザリオンの死の報告によって、すっかり変わってしまったスターリングだった。

スターリングが、暗いなぁ。どろいなぁ。彼の思考回路の方向性が怪しくなってきてるな。でも、だいたい<→選ばれた民だの、優れている種族だのいってるやつは、失敗するのがオチだから、失敗した後に、スターリングがどういう状況に陥るか←>が、見所かも。それにしても、ここまで<→(洗脳されているとはいえ)見事に主人公が悪循環に陥る物語←>は久しぶりだ。さて、気になると言えば、ジャクロードとロザリオンの微妙な関係。ジャクロードも油断ならないやつだ。
新キャラ・リコ(前巻くらいからでてたかな?)のけなげな行動がかわいくていいです。
04/29/02 ↑TOP
 『薔薇の結婚

ドラゴンの角 遠征王と片翼の女王
高殿円・角川ビーンズ文庫【bk1

最愛の従姉妹殿(ゲルトルード)の結婚を阻止すべく、パルメニア女王アイオリアは、トーナメント開催のために、自分の側に立って出場してくれる騎士を捜しにローランドを後にする。そして、ローランドではアイオリアを退位させようという不穏な動きが表面化していた。

お笑いが大半を占めるだろうと思っていたのに、この重さ。アイオリア(と、ついでにナリス)の過去、ゲルトルードの思惑。王家の血筋。物語の転換期と言いましょうか、とにかくターニングポイント。いつも明るいアイオリアだけに、彼女が落ち込みモードに突入している姿は痛ましかったです。
と、重い部分も(前までに比べたら)多少あったのですが、お笑い部分ももちろん健在。そして、前作・アルフォンスの時代の話を読んだ人は思わずうれしくなるような場面がいくつかあって。好きな場面を少し下に挙げてみました。ネタバレではないけど、読むまでのお楽しみと言うことで隠しておきます。
<→ひとつめは、シングレオ騎士団の団長と副団長の争い。とくに、最後にそれぞれの部下(挽肉量産コック部隊と、超絶美形親衛隊)が出張ってくる場所。ふたつめは、従姉妹殿のために、なんとしてもサンシモン伯を抹殺しようとするアイオリアの一連の言動。そして、ナリスとアイオリアのあの二人っきりの会話。ええ話や。←>
まじめな部分では、表現が綺麗でした。次巻からはアイオリアの恋愛編だそうで。ミルザやナリスがどう絡んでいくのか、楽しみです。
04/27/02↑TOP
 『エルゼリオ 遠征王と薔薇の騎士

マリア様がみてる レイニー・ブルー
今野緒雪・集英社コバルト文庫【bk1

白薔薇様の志摩子は、新入生の乃梨子に未だロザリオを渡せないまま、はっきりしない日々を過ごしていた。黄薔薇サイドでは、剣道部に入部するという由乃に令は猛反対。赤薔薇姉妹は、祥子様の様子が少し変なことに、不安を募らせる祐巳がいた。

ほんまに、ブルーな話。白薔薇・黄薔薇の話はさわやかなエンディングなのですが、赤薔薇の方は…。祐巳の痛いほど切ない気持ちが涙を誘う。後でちゃんと、フォローありますよね?あのままだと、あまりにも祐巳がかわいそすぎる。>
04/26/02 ↑TOP
 『チェリー・ブロッサム マリア様がみてる 』 

流血女神伝 砂の覇王7
須賀しのぶ・集英社コバルト文庫【bk1

海賊船に乗船していたカリエは、ルトヴィア海軍との戦闘に巻き込まれてしまう。戦闘のさなか、銃弾を受け海に落ちてしまったカリエは、運良くルトヴィア軍艦に救助される。

うわー、めっちゃおもしろい。いつものごとく風雲急を告げる展開。読み出したら最後までノンストップ。特に今回は、ルトヴィアがメインだったので、お気に入りのドーン兄上夫妻の掛け合いが読めて満足。今回のカリエは、女の子らしくてかわいかったです。まだ発売されて間もない上に、ネタバレを叫びたいので、後はしばらくの間は反転させておきます…。
<→ミュカ、ミュカの復活!しかも、ポレナ(白馬)に乗って…。これだけでもう十分…。たとえ、エドが登場人物紹介から消え去っていても、本文中に名前すら出てなくても(描写はありましたが)。これからは、バルアン・ドーン・ミュカのカリエ争奪戦になるのかな?エド、もしくはミュカ一押しなわたしにとって、バルアンへの思いに悶々しているカリエには、なんてもったいない、と叫ばずにはいられませんでした。←>
04/25/02 ↑TOP
 

薔薇の結婚
ゆうきりん・集英社コバルト文庫【bk1

植民地の反乱鎮圧は失敗に終わった。この敗戦を隠し通すためにも、大臣たちは「生け贄」を選び、民衆の関心事をそらそうと画策する。一方。ラプトシャンで瀕死の重傷を負ったクラウスは、自分のルーツを知ることとなる。
クラウスのことで落ち込んでいるスターリングが、投げやりさんになってた、ちょっといやだわ…。大臣たちが暗躍する政治、どろどろしてる…。苦手だ。実は、かなりラブラブモード全開で、おなかいっぱい…(読んでて少し恥ずかしかった…)。エナは大変なことになるし、クラウスの逃避行はどうなるか気になるし。だんだん歯車が狂ってきていてどうしようもないところまで行き着きそうで怖い。
04/25/02 ↑TOP
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薔薇は復讐の印
ゆうきりん・集英社コバルト文庫 【bk1

薔薇の騎士となったスターリングは、従者ロザリオンの復讐に手を貸すことを誓う。そんな折、国王からの緊急招集がかけられる。植民地で大規模な反乱が起こり、鎮圧に向かうことになるスターリングとクラウス、しかし、状況は皆が考えていたものほど芳しいものではなかった。

今回は、暗いよう。えぐいよう。容赦ないよう(…、たいしたことないと言えば、たいしたことないんだけど…)。コバルトじゃ思いっきり浮いているような気がするな…。ロザリオンの復讐の相手が、ちょっと予想外。。人間の隠された狂気、二面性を見せつけられたような話だった。それにしても、これまた次を読まなければ気の済まないような展開でして。
今回の救いはといえば、お気に入りのロザリオンがかわいらしくなったこと。いいなぁ。心安まるな。
04/23/02 ↑TOP
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薔薇の剣
ゆうきりん・集英社コバルト文庫【bk1

ラグランド王国において、二人だけ許される「薔薇の紋章」。最強の騎士である薔薇の騎士を目指して、スターリングとクラウスは、幼い頃の誓いを果たすためにトーナメントに出場する。そんな中、トーナメントに出場する騎士が襲われるという事件が発生していた。

主役の二人がかっこいい。薔薇っちゅう単語が似合ってます。クラウスとスターリングの友情がいいなぁ。かわいい女の子も出てくるし。しかし、実のところ、話は暗いですね。重たいですね。今回一番よかったのは、従者のロザリオンへの禁断の思いに悩むスターリング。<→実は、ロザリオンは女の子なんだけど←>ひとりもんもんと悩む彼がおもしろかった…。ロザリオンはいいな。一番お気に入り。イラストは華麗で綺麗で。ストーリーも華々しく。とくに、最後の引きが気になる。早く次を読もう。
05/18/02↑TOP
 

KLAN3 迷走編
霜越かほる・集英社スーパーダッシュ文庫【bk1

全てのクランを従えるという壮大な夢に向かって突き進む、英国貴族リンフォード伯爵。伯爵は本国から助っ人を呼んで、虎之介を捜し出そうとする。当の虎之介たちは、それぞれに逃亡生活を送るため、別行動をとっていた。

逃亡したら迷走ですか…。たしかに、ちょっと迷走している7人の逃亡生活です。
なぜか今回の伯爵はおちゃめに感じてしまったので、ちょっとあらすじもふざけたものにしようと思ったけど失敗。そんなこんなでKLANの3巻です。今回も、やっぱりかわいすぎる虎之介妹の風子ちゃん。ワイルドで頼りがいのある美笛姉さん。ルネの活躍はなかったけど、女性陣の活躍が光ってました。それに比べて、孝行おじちゃん、ちょっと見せ場がなかったかな…。ここまでで一区切りだそうで、脇キャラも気になる女の子がでてまいりましたが、彼女は次も出てくるんだろうか?伯爵、もうちょっと気合い入れなきゃ小悪党に成り下がりそうで、ちょっと応援してます…。
04/21/02 ↑TOP
 『KLAN2 逃亡編

此君の戦姫
 
紗々亜璃須・講談社ホワイトハート【bk1

崑崙山に住む西王母の第四公女・瑶姫。考えることよりも体を動かすことが得意な瑶姫は、外の世界に興味津々。なんとか人界に降りることにできた彼女は、初めての人界で春麗という少女を助けることになる。

前作と同じ世界で繰り広げられる、ちょっとつながっている話。話は独立しているのでどちらを先に読んでもOKです。主人公の瑶姫が元気でいい子です。ヒロイン(?)の春麗は、母親そっくりじゃないですか…。今回、第一公主の華林が妙にかっこよい。瑶姫と春麗のそれぞれの悩み、それぞれに刺激を受けながら成長していく場面に好感を持てました。
04/19/02 ↑TOP
 『寒椿の少女

木の国の媛 太陽の娘
ひかわ玲子・徳間書店デュアル文庫【bk1

村酋の末娘ヨキナはある日、川のほとりで根の国からやってきた美しい青年と出会う。彼の警告に半信半疑だったヨキナであるが、彼女の村は戦に負けて滅びてしまう。たった一人生き残ったヨキナは、精霊の導きで神の島にたどりつく…。

古代日本を舞台とした、骨太のジャパネスクファンタジー。ヨキナを中心に、やがて日本にやってくる「八戸の民」との争いの前フリ、というか、準備の物語。
この時代の物語なら、氷室冴子さんの『銀の海 金の大地(未完…)』や、荻原規子さんの『勾玉』シリーズが大変オススメです。
04/16/02 ↑TOP
 

聖霊狩り 天使のささやき
瀬川貴次・集英社コバルト文庫【bk1

謎に包まれた安内市。ぱっとしないまま終わってしまったミイラ事件。秘密主義の桜田家。様々なことに頭を悩ます、御霊部の飛鳥井柊一。そして、彼の元には、早紀子と萌の「入らずの森に天使が出た」との報告がやってくる。

『〜さまよう屍』の続き。気味の悪さでは、たぶん今までの中で一番上でしょう、のこの巻。天使が気味悪い。想像しない方が身のためだった…。話はそんなに進んでいないんですが、ちょこちょこ爆弾シーン(?)が織り交ぜられています。何よりも、美也さんがね…。桜田弟はなんだか「犬」みたいでかわいいと思ってしまった。そして、今回も萌。彼女に尽きます。誠一郎と柊一のタッグもできたことだし、次巻以降の布石はばっちりでしょう。
04/15/02 ↑TOP
 『さまよう屍

サイケデリックレスキュー  クリムゾン・インフェルノ(後編)
一条理希・集英社スーパーファンタジー文庫【bk1

地震の二次災害による被害が拡大していく藤木市。特殊救助隊と縁を切った神野と美紀は、綺堂との交換条件にこたえ、レスキュー活動を開始する。一方、清陵学園に避難した恭平たちは、次の火災旋風に備えて行動を開始しようとしていた。

前言撤回。新秘書いい感じじゃない。祐二を手玉にとってますね。祐二の反応がなにげにかわいくていい。
展開は前回に増して重い。いろんな人の「嘆き」が生々しく描かれていて、辛かったな。暗躍する「暮崎」や、紫龍、どんどん暗ーい展開になってきそうです。
04/13/02 ↑TOP
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踊る王宮の午後 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険
橘香いくの・集英社コバルト文庫【bk1

フェリックスとともに里帰りの予定を立てていたコラリー。ところが、フェリックスはスパイ容疑を晴らすために、単身<シュシナック>を捕らえる任務に赴いてしまう。一方、コラリーは王太后のお茶会に招待され、出席することに。

いつもに増して恋愛度が高かったような気がする一冊。今回、コラリーは別に暴走もしていなし、フェリックスがその尻ぬぐいをするといったこともないんですけど、内容が内容なだけに。コラリーとフェリックスの子供時代の話はよかった。かわいすぎ。フェリックスの母親の謎やら、裏でうごめく王太后さまや、クライマックスを予感させるような内容。しかし、テランス陛下の三段論法、フェリックスの精一杯のさわやかさ、要所要所の笑いのツボはきちんと押さえられています。
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 『影の姉妹

レイティアの涙<リザ編> 氷の棺
高遠砂夜・集英社コバルト文庫【bk1

翔翼人でありながら、魔力を持たないために<忌み者>と呼ばれていたユリエとカイの姉弟。それでも、家族に愛され、友にも愛され、緑豊かな大地リザで平和に幸せに暮らしていた。しかし、彼らの知らないところで、リザは着実に破滅の道を歩んでいた。

ええ話や。妙にええ話や。こういう、じわじわと破滅に向かっていく話は結構好きだ(後味が悪いのはちょっといやだけど)。絶望と希望が背中合わせなところとか。変わらないものはなにもない。完璧なものが迎える最後。物語の展開的にはよくあるパターンなんですけど、ユリエとソルフィーユ王子のちょっとした恋物語は、結構よかったと。魔力を持たない二人がたどりついた先は、先の2巻で語られているのですが、それでもやっぱり、いい話だと思いました。
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レイティアの涙 白き乙女
高遠砂夜・集英社コバルト文庫【bk1

荒野をさまようユリエとカイの翔翼人の姉弟に亡国の王子ユーグ。不思議な沼に迷い込み、精神攻撃に晒されつつもなんとか逃げ出した彼らは、オアシスの若長に拾われる。

各地に散った「レイティアの涙」の巻き起こす、悲劇というかそんな話だった。悲恋系の話なんだけど、あんまり読んでて悲しくはならなかったなぁ。当の本人(男)の性格がぬっぺりまったりだったからかもしれない。ユリエとカイの過去に何があったか、どうして二人は最後の翔翼人なのか、次で語られるようです。ユーグとカイって結構いいコンビかも。
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東方ウィッチクラフト −願え箒の星に−
竹岡葉月・集英社コバルト文庫【bk1

夏休み、御堂学園歴史研究部の合宿中に、部員が何者かに襲われるという事件が起きた。被害者の夜宵が握りしめていたネームプレートには”観凪一子”の文字が。その疑いを晴らすべく、魔女柾季と使い魔一子は歴史研究部の合宿に参加することとなる。

個性的なキャラたちの織りなすハイテンションな会話は相変わらず健在。おもしろい。名刀(?)虎鉄を携えてる熱血バカがいい感じ。天然電波系不思議天使少女・小澤夜宵と一子のかみ合っているんだかかみ合っていないだかの掛け合いはよかったなぁ。メインの二人は前作に引き続き、狂言回し的存在。二人がメインの話も読んでみたい。
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 『東方ウィッチクラフト −螺旋舞踏−

蒼穹のシディ アグラファ1
三浦真奈美・C-Novels Fantasia【bk1

アティスの植民地行政官の息子ミオは軍人になることに憧れていた。ある日であった鷹のシディとその相棒レシェフ。不思議な彼と関わることにより、ミオは大きな一歩を踏み出すこととなる。

ミオ少年の成長物語、と受け取っていただければ。ええ、別人です。前と後では、ミオの性格が別人ですよ…。こういう成長物語は好きだなぁ。
ミオとダブル主人公を張っているのは、どうやら今後ミオと全く正反対な道を歩みそうな海賊アイン(海賊サイドで私のイチオシは頭脳派副官エル・ジェロです)。ミオとアイン、どんな風に関わっていくのでしょうか?
神様がいるようで、いない、でもやっぱりいるかも、というそんな不思議な舞台で起こる壮大な物語(っぽい)。C-Novels Fantasiaの中で一番楽しみなシリーズ(っちゅうでも、約3シリーズしか読んでませんがね…)になりそうです。
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H.O.P.E
一条理希・集英社スーパーダッシュ文庫【bk1

優秀な人材を生み出すため作られた教育機関H.O.P.E。医学専門H.O.P.Eを主席で卒業した相馬勇斗(15歳)は、研修医として派遣された先で、指導医ととりあえあずケンカ、謎の第二外科に移されてしまう。そんな第二外科病棟には、心臓を患う勇斗と同い年くらいの少女がいた。

私のあらすじでは、なぜかシリアスものだと感じることができないかもしれませんが、シリアスものです。自分に絶対の自信を持った勇斗のとんがった描写がなんだか好き。そして、最後の方に、自分のためでなく結花を思いやる気持ちに変わっていく様もなんだか好き。どうやら、バックにはえらい動きがあるようで。どう発展していくのか、次も楽しみ。
04/04/02 ↑TOP
 

レイティアの涙
高遠砂夜・集英社コバルト文庫【bk1

荒野にただ一つ存在する国フェネルスティ。女神の庇護を受けつつも、女神の怒りを買ったために色彩を失ったこの国の王子ユーザは、生まれるたびに17の誕生日を迎えると女神の贄に捧げられるという過酷な運命を繰り返していた。そんな彼が見かけた二人の翔翼人。強力な力を持つ”レイティアの涙”を探す二人に。ユーザは取引を持ちかける。

姫君と婚約者よりもこっちの方が好みかも。ストーリ性というか、そういうものを感じます。色彩がない国ってどんなものなんだろう、少し想像してみたのですが、やっぱり無理でした(笑)。もっとこの”色彩がない”という状態がきれいに描写されていたら、きっとすごく雰囲気の伝わるいい物語になっていたかも、と思ってしまった(せっかくのいい設定なのに、あんまり描写がなかったように思ったので)。でも、双子の翔翼人はお気に入り。ちょっとすねたユーザの性格、今後どう改善されていくのでしょうか?
04/03/02 ↑TOP
 『東方ウィッチクラフト −螺旋舞踏−


サイケデリックレスキュー  クリムゾン・インフェルノ(前編)
一条理希・集英社スーパーファンタジー文庫【bk1

修学旅行に起きた事件(デッド・ライン参照)により心に大きな傷を負った恭平。なんとかして彼を励まそうとする祖母や紗湖にこたえ、彼は学校に行くことを約束する。ようやく登校したその日、地下鉄乗車中に藤木市を都市直下型の大地震が襲う。

地震。都市直下型の地震と聞いてやはり阪神大震災を思い出してしまいます。細かい描写や二次災害の起こる様子などがすごい。やっぱり相変わらず容赦ない。恭平の心の傷が痛かった…。水城の特殊救助隊の新指揮官がどうも好きになれないっす。彼がこのあと、どんなアクションを起こすか、巻き起こる二次災害がどうまとまるか、神野や美紀のレスキュー活動はどうなるかなど、後編を読まずにはいられない、そんなええとこで終わってしまいました。
04/02/02 ↑TOP
 

楽園の魔女たち 〜月と太陽のパラソル(後編)〜
樹川さとみ・集英社コバルト文庫【bk1

旦那様探しの旅に出たマリアは無人島にてジェイルとペンギンを発見したものの、そっくりさんの別人だった…。それでもあきらめないマリアは、海賊バリーとその手下たちなどととともにジェイルの手がかり求めて、船を進めていくのであった。そのころ、他の魔女たちも、各自の仕事(任務)を遂行していき…。

とりあえず、キレたマリアとレサちゃんのコンビがよし。バリー船長とその手下もいい人揃いでこれまたよし。そして、ジェイル様が「王子様」なので三度よし。ものを落とすすと大変な目に遭ってしまうあの”海”もよかったなぁ。今回はテンション高めでおもしろかった。お師匠様の謎、ダナティアの結婚相手、などなど、今後の大きな鍵となるものもたくさん出てきて、どうなるんだろうと今からどきどき。
04/01/02 ↑TOP
 『楽園の魔女たち 〜月と太陽のパラソル(前編)〜

暁の天使たち
茅田砂胡・C-Novels Fantasia【bk1

ロスト・プラネット(失われた惑星)からやってきたという、ぱっと見美少女の少年・シェラ。彼を発見したという、これまたぱっと見美少女のリィ(またはエドワード、ヴィッキー、エディ、ついでに王妃。いったいいくつ名前を持ってんだか)は二人で学校に通うことになる。

ああ、あらすじの書きようがない!茅田さんの新作らしいのですが、どっからどう見ても<デル戦>と<スカウィ>の続編ですがな…。いっぺんきれいに終わったものが、こうして、また再び違う物語として現れるのは、ちょっともにょっとする複雑な気分。相も変わらず、掛け合い漫才のような会話がおもしろかった。ダンやちびダンの見せ場が全くなかったので、今度はあるといいな。以下、ネタバレ。
<→これを読むまで、デル戦の最後でレティシャがリィの中にいるってとこをころっと忘れていた。そして、ヴァンツァーまで出てくるとは、少しびっくり。それにしても、二人ともえらい丸くなってしまいましたな…。リィの生みの親の名前も、そういえば聞いたことがある、という状態なので、このもやもや感をなくすために、デル戦をもう一度読みたくなってしまった。ルゥの言葉によると、スカウィの女王とキングも再登場しそうな予感もします。うーん、どこまでうまいことつながるか、ちょっと気になりますね。←>
ええ、この物語をより楽しむためには、茅田さんが中公から出している現代物じゃない2シリーズを先に読むことをオススメします。どっちもおもしろいですよ。それにしても、作者さん、悪い方向に開き直っておりますな…。ちょっといやん。デル戦の頃に感じたスピード感というか、躍動感を感じれなかったのはちょっと、いや、かなり残念…。
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A戦場のプリンセス
野田麻生・角川ビーンズ文庫【bk1

あしながおじさんの援助を受け、3人の弟たちと貧乏生活を送っている伯爵令嬢坂崎春香。弟の口利きで始めた新しい仕事は、王子様付きの侍女。遊園地王国で起きる、ラブコメ…?

一言で言うと、楽しめました。「少女小説」を読みたいのなら、読んで損はないかと。まずは女の子が主人公って言うところがポイント高いかな?元気で好感の持てるハルがかわいかった。外面はいい王子様のエリックの性格もよろしいです。何のかんのいって「かっこいい」ですから。男性3人に女の子1人のある意味ハーレム状態なのですが、そううまくいくわけでもないです。謎の「あしながおじさん」の真実では、少しほろりとき、最後まで楽しんで読むことができました。
03/27/02 ↑TOP
 『人魚の切片