2002年3月の本の感想
デッド・ライン サイケデリック・レスキュー
一条理希・集英社スーパーファンタジー文庫【
bk1】
修学旅行で恭平の乗る飛行機が影島に墜落。救助に向かった救助隊が現場で見つけたものは、墜落した飛行機の残骸と、いくつかの生徒の持ち物だけ。
うーん、相変わらず容赦ない。最後の方は読んでいてすごく悲しくなった。前の巻(下のアクア・クライシス)でのあの不穏な言動は、ここに結びつくのか、と納得。今回、水城の救助隊は出張ってきていませんので、スーパーツールも使えないという、原点に戻った「極限」状態。そんな中で起こる、遭難者たちの心理状態が辛かったな。表紙のめがね少年は宇佐見君かな?好みのめがね少年なんですが…(あとは、本文読んで一緒に感傷に浸りましょう…)。
アクア・クライシス サイケデリック・レスキュー
一条理希・集英社スーパーファンタジー文庫【
bk1】
大雨の降る日、紗湖とのデートの約束に遅れた恭平。些細なすれ違いからケンカになり、紗湖は地下鉄の駅に駆け込む。おりしも、大雨による川の氾濫で、市内がパニックに陥る直前であった。
メインは恭平の紗湖救出物語なんですが、同時に展開されるいくつかの話が今後の鍵を握りそうです。暮崎さんと祐二の関係も微妙になってきました。紫龍はとんでもないことをやらかしそう。そして、美紀さんと神野さんもむふふな関係です。次に来る大事件のプロローグと言いますか、そういう流れでした。前作(『
ハイスクール・ジャッカー』)が、割とまだのほほんとした内容だったので、その落差もよい感じに物語に緊張を与えてくれたと思います。
完璧な石 アル・デイジー島の不思議な事件
世界が滅びかけた変動期を乗り越え、沈まなかった三つの島の一つ、アル・デイジー島。美人で気だてがよいと評判の女医さんラベンダーは、海岸でで不思議な石を見つける。それと同じ頃、島は不思議な事件が起こりだして…。
「すわ、私のチェックしていない新しいコバルト文庫か?(文がめちゃくちゃですが、こんなニュアンスで)」と思って、手にしたソノラマ文庫。コバルト文庫よりよほどコバルト文庫らしいキュートな表紙につられて買ってしまいました。
ドラゴンだの何だの出てきますが、全体的にまったりとした童話系の空気が流れるお話でした。ラベンダーも好感の持てる元気な女の子でした。ただ、ジェライに惚れたラベンダーの気持ちの過程がちょっと急すぎて、もうちょっとそこら辺が書き込んであったらもっと物語にのめり込めたのに、残念。という感じ
KLAN2 逃亡編
霜越かほる(原案・田中芳樹)・集英社スーパーダッシュ文庫【
bk1】
”ハムル”の力で、虎や熊に変化する虎之介たち。虎之介たちと、リンフォード公爵たちが起こした事件の調査にかり出された立花美笛は、限りなく真実に近づきすぎたために、リンフォード公爵サイドから命をねらわれることとなる。そんな彼女を救った虎之介たちは…。。
田中芳樹の続きを霜越さんがかかれているのですが、違和感なくて、物語を十分楽しむことができました。この巻から仲間入りを果たし美笛さんと孝行さん。美笛さんがいいお姉さんっぷりを発揮していてよいですね。ハムランムル四人組はどう考えても生活能力なさそうだし。美笛さんのポジションは、創竜伝で言うところの茉理ちゃんの位置かな?相も変わらず虎之介の妹の風子ちゃんは激プリティーでした。
田中さんが描くよりも、女性の描き方が魅力的で、道中とは言わず(後書き参考)、最後まで霜越さんがかかれた方がよいかも、と思ってしまった。なにより、でないでないと嘆くことは必要なさそうだから…。
夢魔の慟哭 みき&りょう怪奇ファイル
見鬼の力を持つために、家族得離れて暮らす一橋亮。除霊の力を持つ、天然一見美少女の水城。そんな二人の、除霊物語…?
手元に本がないのであらすじがかけません…。前の「水魔の誘惑」の続きなんですが、実はこちらがデビュー作とのこと。りょうさんにかすかな思いを寄せている間宮ちゃんがかわいいぞ。話としては、うーん、あのお姉さんがもうちょっと出張っててもよかったかな?という感じなんですが。普通におもしろかったです。
ハイスクール・ジャッカー サイケデリックレスキュー
一条理希・集英社スーパーファンタジー文庫【
bk1】
恭平の通う高校に、銀行強盗が逃げ込む。人質となってしまった恭平と紗湖は…。<ハイスクール・ジャッカー>
救助隊の頼れるアニキ・神野は、給料日にとんでもない事件に巻き込まれて…。<神野の結構ハードな一日>
救助犬の訓練を受ける”ビット”は、ご主人様の哲が大好き。<レスキュー・ドック>
今回は3本収録の短編集です。3本目のレスキュー・ドックが、めちゃくちゃかわいい!ビット視点でかいてある文、もう、本当にかわいい。哲や恭平のことすきすき〜!って感情や、ビットが感じる切なさなどがめっちゃ伝わってきます。こんな犬ほしい…。友情ものとしても「泣き」を感じるこのレスキュー・ドック。後味さわやか。是非是非おためしあれ。
東方ウィッチクラフト −螺旋舞踏−
憧れの高校生・”魔女”の柾季の使い魔となってしまった一子。なぜか不幸の連続な日々を過ごしている時、柾季の母親に憧れるパワフルな女性・玲奈と出会う。彼女の真摯さに共感した一子は、彼女の夢を叶えてあげようと奔走する。
柾季の母親・千草がかっこいいお母さんです。滋賀家のメンツは、どれもこれもいい味を出してますね(その筆頭は、なんと言っても、オベロン(犬)と、柾季のどつき漫才…)。個人的にツボだったのが、愛に燃える大和さんかな?自分の能力を最大限(?)生かして、愛しい人を守ろうとする(?)その心意気、見事です。メインテーマであるような「玲奈さんの自分探しの旅」の部分も、涙を誘うよい話でした。
寒椿の少女
村一番の金持ち商人の娘で、村一番の美女である暁春は、16の身空で60過ぎの商人の元に嫁ぐことになっていた。何が何でも、幸せになってやると考える暁春は自分の身の上について、大して悲観を持っていない。そして、彼女は山奥で不思議な小鳥を助ける。
中国が舞台の、仙人や仙骨や、西王母などの単語がわんさか出てくる物語。正統派少女小説なノリで、読んだあとはかなり満足。まずは、暁春のパワフルな思考回路に脱帽。高飛車なお姫様なだけでなく、彼女の感じる「孤独」が、こちら側にもきちんと伝わってきました。これは、暁春を好きになれるかなれないかで、物語を楽しめるか楽しめないかが決まるかも。私は、暁春の転んでもただではすませない、サバイバル精神にとんだ性格が結構好きです。
パラダイス ルネッサンス −楽園再生−
旅人のガード(護衛)を生業とするジーンは、過去をなくした不思議な少年ルネと、オシアン族であるルネの姉マルクリールのガードを引き受けることとなる。姉弟が探しているのは、伝説の楽園。
『魔女の結婚』の谷さんのデビュー作。
荒廃した世界に伝わる伝説の楽園を巡る旅の物語。不思議な雰囲気に包まれた作品。最後も、「おおおおっ」と思わずうなりたくなるような終わり方。かなりハイペースで読んだので、謎が明かされていくところは、思わずもう一度じっくり読んでしまいました。そして、実は結構恋愛の要素があったりして。楽園とはなんぞや、と思いながら読んでいくと、おもしろかったです。谷さんの物語は、流れがきれいですき。。
ジーンは、どことなく魔女の結婚のマティアスに通じるものがあるような気が…。私だけ?
新世界 ふたつの太陽がのぼる帝国
新世界への入り口の鍵となる<鍵見の少女>のリリアをエリストニア帝国から連れ出したルーイと、彼らの用心棒を買って出たカイ。カイはたどり着いたニースという街で、その街を仕切るナーエという女盗賊に助力を求める。一方、リリアを追ってきた帝国軍人シキも、ニースにたどり着く。
シキとカナタ君の掛け合いが。カイとシキの表面上はフレンドリーななにか裏のありまくりそうな会話が。ツボツボ。でもでも、なんだかお話全体的にちょっと引っかかる部分が多いような。たとえば、<→1.街道の要所のクセして、盗賊の頭の一言で、情報すら漏れなくなるところとか。そんな重要な街ならいろんな国のスパイくらいふつういるっしょ。2.ローザが簡単にレクトの思惑に乗っているところとか。これは完全に個人的な要望なんだけど、あれだけの若さであんだけ出世しているなら、もちょっと「使われる」キャラじゃないほうがうれしい。3.カイが無防備…。凄腕の傭兵…?そして、何よりも4.あんまりにも「有能」な奴らが、若すぎる…。←>
といいながら、キャラや世界観は結構好きなので、続きももちろん読んでいこうと思います。苦労人のシキの副官カナタ君がイチオシ。
聖霊狩り さまよう屍
怪奇現象群発の街を引き続き調査している柊一と、彼のライバルの誠一郎。カタコンベでの異常に気づいた誠一郎の前に、同僚の美形陰陽師・有田が助っ人として現れる。そして、いつものように早紀子と萌は事件に巻き込まれて…。
新キャラの有田さんが萌の妄想の餌食になることは、登場人物紹介の時から予測できたのですが、籠目のじいさままで餌食になるなんて…。さすがだなぁ。ミステリー美女の美也さんの動向は気になるし、街の怪奇現象の謎も少しずつ解け、桜田の兄ちゃんはなんだかいろいろたくらんでいるし、またええところで終わっているので、次が楽しみ。忘れないうちに次の巻も読みたい。
東方ウィッチクラフト −垣根の上の人−
中学三年生の観凪一子は、隣の高校の一年生・滋賀柾季に心をときめかす日々を送っていた。当の柾季は”魔女”であり、一子はひょんなから、柾季の”使い魔”となってしまう。「熱くたぎる正義の心」を持つ柾季は、最近多発している謎の路上強盗事件の解決にご執心で…。
おもしろいです。今回はうってかわって現代物となっていますが、テンポの良さは健在。やっぱり、ノリのいい文を読むのは楽しいです。一子の一人つっこみは言うに及ばず、柾季のマイペースぶりにてんやわんやの一子の反応がgood.そのくせして、今回もやっぱり泣かせるところは押さえているし。かわいかっこいい女性キャラも出てきています。そして、飯田さんのキュートな絵もぴったりで。よかったです。
聖霊狩り 夜を這うもの
引き続き、怨霊の調査を行う御霊部の飛鳥井柊一。今度は墓場で怪しげな動きがあるようで、早紀子や萌、そして彼女たちの友人である美也と現場に乗り込むこととなる。
萌ちゃん最高。もうこのままどこまでも突っ走ってください…。彼女のとどまることを知らない妄想ワールドは、ネタとして読んだら本当におもしろい(ネタにされている柊一や誠一郎も、災難だね…)。
新キャラの美也さんの独白もツボ。ミステリアス美少女というツボな設定な上に、このシリーズではとんでもなく要な人物になりそう。だんだんと、ワールドワイドな流れになってきています。また、「えーっ」というところで幕切れを迎えていたので、次が楽しみ。
STEP OUT
宇宙飛行士を目指すべく「スペースアカデミア」に入学した熱血少年鷹島あきら。クラスメイトとなったのは調停の達人・籐桐かみき、宇宙考古学に夢をはせるアレックス・L・藤川。そして、伝説の宇宙飛行士の親類である秋篠ともは。65%の進級率という途方もない数字に、前途多難なアカデミア生活のはじまり。
若いっていいなぁ、という、若さにあふれる物語です。みんな前向きに一生懸命で、夢に向かって突き進んでいく…(なんだか、私からはとても遠い話なのですが)。オムニバス形式で、各章ごとに語り手が変わっていくというのが、すごく効果的だと感じました。ここから、というところで終わってしまっているので、惜しいな、と感じてしまいました。ああ、青春。美形揃いでこれまたよろし。
ブルー・ムーン 影の王国12
王国に改革をもたらそうと月の王となった月哉。一方、王宮に巣くう人見の巫女は、瞳を自分たちと同じ存在にしようと、ついに最終行動に移り始める。それと同時に、倒されたはずの前王・百雷も、ある目的を持って密かに王宮に向かう。
影の王国最終巻。百雷パパ、いいとこ総取り。月哉よりよほどかっこいい。さすがパパ。かっこいい、パパ。最後まで、月哉はパパを追い越すことができなかったようです。
月哉は、まあ最後の方に見せ場があるのはいいとして、月留が、月留の存在が(ただいただけ…)!お気に入りダル・シーも、いまいち見せ場がない(挿絵はインパクトあるのに)…。オチの付け方が、本当にそれでいいんかい!と思わずつっこみをつけたくなるようなものでしたが(私としては。だって、結構いい加減じゃないですか…)、ハッピーエンドなので、ここですべての不満は解消されてしまいます。が、願わくば、もっと瞳ちゃんとと月哉くんにはラブラブ街道を突き進んでいってほしかったです。
表紙がすごくきれいで、お気に入り。挿絵にしても、初期に比べて月哉の美形度がずいぶんあがっていますね。
ウォーターソング
銀河の田舎の欠陥開拓惑星に住む小学生のナット。彼の学校に転校してきた謎の美女アサヒのおかげで、彼のクラスは微妙に変化していく。<僕らに降る雨>
自治惑星ザイラスに母娘二人で暮らしていたアサヒ(8歳)。彼女の母親・セイが”拾ってきた”ヒムロとの出会いは、アサヒにとって新しい世界の幕開けとなる。<ウォーターソング>
「僕らに降る雨」は元気な小学生たちの一大蜂起物語、かな?妙に大人なナットの行動が、読んでいて哀愁を誘ってしまいました。小学生っていろいろ大変だもんね…。設定、といいますか、小道具がおもしろいと思った。。
「ウォーターソング」では、「僕ら〜」で出てくるアサヒの幼少時代が描かれています。軽いノリで進行していくくせに、要所要所で泣かせる要素が…。幼いアサヒがかわいいです。
惑星や政府間での問題が描かれているのに、あくまでも一般人である主人公たちの生活が中心。テンポがよく、すらすらっとよむことができました。
Mother 〜そして、いつか帰るところ
唯は火星で生まれた原始生命体を人工的に進化させた唯一の人間型の生命体。火星を地球化させようとする政府の計画に反対する『Mother』。彼らは唯の存在を抹殺すべく、エージェント(カイリ)を送り込むこととなるが…。<
少女小説SFですね。結構おもしろいんだけども、「これだ!」って思えるほど惹きつけるられるものはまだなかった感じ。唯の兄代わりの颯が抱える心の闇の部分も、ありがちと言えば、ありがちだしなぁ。後半のカイリの行動はかっこよかったけど。終わりはきれいな終わり方。ちょっとおとぎ話チックでした。
クイーンズ・ガード
日本を代表する高級ホテル、グランド・クイーンズ・ホテル。ホテルで起こる謎の連続盗難事件の真相解明のために、社長直属の「処理班」なるものが新設された。
駒崎さんの新シリーズ。処理班のメンツが一人をのぞいて強者揃いです。課長は戦うホテルウーマンの澄子、そのほか工学の南水樹、コンピューターの海、他の3人に比べて影の薄い克仁(私は応援してますとも、克仁さん)。まだ、イントロ的なところがあって、盛り上がりに欠けるような気がしないでもないんですが、次も気になるシリーズとなりました。強い女の人が好きなので、澄子さんをイチオシ。がつんと気分爽快なことをやってくれそうです。期待してます。
聖霊狩り
非業の死を遂げて神としてまつられた怨霊である御霊の暴走を止める影の組織「御霊部」。最年少の飛鳥井柊一は、命を受けて五郎神社の御霊を調査することになる。五郎神社のある町事態が怪しげな気配に包まれている町で…。
ホラー系が苦手な私でもさくさくっとよめてしまうプチホラー(私の場合、ホラーの判断基準が甘いので、すぐに何でもホラーになります。)。かわいい女の子(早紀子と萌)と、かっこいい男の子の柊一に(基本は美少年ですか?萌ちゃん?)主人公のライバル楠木君。みんな若さにあふれる前向きな人たち。ええと、ツボは萌ちゃんです。BLあんまり好きじゃないんだけど、彼女の止めどなくあふれてくる妄想はおもしろいわ…。
汝、嵐を翔る者たちよ
獣にのった黒髪の女性が国民を虐殺するという事件が連続して起こるカドリア王国。グラハムに操られたナハル・ガロの罠がシャナを、イーグを追い込む。
王妃となったシャナ嬢の、新婚生活が…、じゃなくて、神官イーグとの禁断の愛が…、じゃなくて、破滅を導くというプラナカーナの復活をもくろむ(でよかったような。自信なし)グラハムとの戦いが描かれております。ええと、新キャラが登場しております。新・司政神官長ガントレッドと、服飾師のリリーヌ、ついでに心に傷を負ったキリオン青年。気に入った。特にガントレッドがよい。ああいうお茶目なおっさんが好きだ(今まで司政神官長ってろくなんいなかったみたいだし)。
今回も前回同様らぶらぶな話でしたので、まあ、よいかということで。
ローゼンクロイツ エーベルハイトの皇女
アキテーヌのルネ王に嫁ぐはずのエーベルハイトの公女が何者かによって誘拐される。犯人に心当たりのあるセシルは、怪盗ローゼンクロイツとして単独で公女救出に向かうが…。
。またまた王道なノリで、王道な展開が繰り広げていきます。公女のマルガリーテが元気なお嬢さんでよろしいです。セシルの母上も元気ですね…。彼女が暗躍してくれた方が物語にハクがついておもしろいかも。なんだかオールキャスト揃い組のようなお話でした。おもしろい、おもしろいんですけど。セシルが女の子だったらもっと言うことないのになぁ(こればっかですね、私)。BLがどうしても、何があっても許せないという限りは読むことができますので、ヨーロッパ(っぽいのが)舞台のラブロマンが読みたいのならば、読んでみてもよろしいのでは?
魔女の結婚 さまよえる竜は水の砦
「運命の人」を探して旅を続ける巫女姫エレインと、その師匠であり<流星車輪>の使い手であるマティアス。二人が訪れた街で世話になった商人の一人娘・シャルロットと、領主の花嫁の座をかけてエレインは女の魅力比べをするはめに。
お話の中核になる「三つ子の領主」もよかった。話全体の流れとしても、大きな変化があったようで次からが本当に気になります。<結構中核になるネタバーレ→マティアスの予感通りに、ステファンが二人と決別するようなことがあるんだろうか?やっぱりステファン父や聖槍が今後、大きな役割を果たすことになるのかな…。←>
マティアスとエレインの鈍感二人組、もう読んでて身もだえするよなシーンが。これはおいしすぎますね…マティアス。やっぱりマティアスをたきつけるような強力な”ライバル”が出現しない限り、この二人は進展しないのでしょうか…。はやくくっつけ!(でも、くっついたらこの話は終わりだ。微妙)
明日はマのつく風が吹く!
眞魔国の魔王としてなぜか便器から異世界に召還された渋谷有利(15歳)。今まで順調に元の世界に戻れていたのに、今度は戻れなかった。仕方なく異世界で魔王業に精を出していると、「魔王の隠し子」を名乗る少女の出現で、やっぱりとんでもないことになってしまう…。
今度は隠し子。今回も暴走気味のギャグがいい味を出してます(前の方がギャグのノリはよいのですが、これでも十分おもしろい)。今までその存在が謎に隠されていた(ように感じる)、前魔王の長男の従姉妹のアニシナ嬢がよいです。マッドマジカリストの彼女がおもしろい。有利命の王佐ギュンターも、いつも通り壊れていっているし。いつも、話と全く関わりのないところで壊れていくギュンターはある意味哀れだ…。かわいい少女も出てきます。次男のコンラッドはやっぱりかっこいいです。
キャラに萌えなくて何に萌えるんだ!というような小説。みんな一筋縄ではいかないような、魅力的な登場人物がてんこもりです。