(迷)セリフ/迷(名)場面集 1
[Feb.12.2003〜May.05.2003] |
―神さま、あんた、力不足だぜ。
□出典:『傭兵ピエール』
(佐藤賢一/集英社文庫/下巻P.364) □発言者:ピエール □感想 □名 ジャンヌをさらいに来るも、「神の花嫁になる」と本人に拒絶されますがなんとか分かり合い、ようやく念願を成就したピエール会心の一言。ピエールにとっては、神すらもただの恋敵、ざまあみやがれといったところかな? このセリフに漢を見ました(笑)。
「わからない。でも、そんなんじゃ思いとどまれない。早く引き止めてよ!わたしにはお前じゃなきゃだめなんだってわからせて!」
□出典:『魔女の結婚 終わらない恋の輪舞』
(谷瑞恵/集英社コバルト文庫/P.221) □発言者:エレイン □感想 □名 悲しい恋に引きづられて成仏できない(…、これは仏教用語…、昇天かな?)亡霊の思いを断ち切るために、マティアスに助けを求めるエレインの必死の言葉。はっきり言って、恥ずかしいくらいの告白台詞のような気がしなくもない…、いいですね、ラブは。この2人はかなりせっぱ詰まった状態でないとこのようなセリフは言いませんので、クライマックスのベタ甘台詞、というものがこのシリーズの密かな楽しみだったり。
「お前がお前である限り、戦士の魂を忘れないでいる限り、お前が国王だ」
□出典:『デルフィニア戦記4 空漠の玉座』
(茅田砂胡/中央公論新社C-novels Fantasia/P.202) □発言者:リィ □感想 □名 玉座を取り返したウォルが望んだのは、高位の神官からでなく最高の同盟者であるリィから王冠を与えられること。ウォルとリィの絆の強さを実感できる一節。デル戦ではラストの方の別離の言葉も心に残っているのだけど、ひとまずこちらを。なんか、こういうセリフまわしがかっこいいんだな……。
私は人形じゃない。
自分の頭で考えて、自分の足で歩くことができるわ。
□出典:『ブラインド・エスケープ』
(樹川さとみ/富士見ミステリー文庫/P.75) □発言者:青野由貴 □感想 □名 誘拐されたお嬢様が決心するシーン。最初は、ただ流されるだけだった由貴がここら辺からだんだん変わっていきますね。その一番最初の変化のシーン。だんだん本当にかっこよくなっていくんだけど(最後は、巻頭カラーのシーンまでいってくれます)、その記念すべき第一歩。このお話は主人公がバリバリかっこいいんだけど、それ以外にも守られているお嬢様の成長や、自称傍受マニアなど、そのほかの登場人物も好き…
『生きて』
『生きて、 ……そう生きて。 生きることが難しいときは、歩いて、食べて眠って…、そうやって、フリから始めましょう。 少しずつ繰り返すんです。昼と夜のように』
□出典:『尾のない蠍 遠征王と流浪の公』
(高殿円/角川ビーンズ文庫/P.235) □発言者:ナリス □感想 □名 オリエの回想シーンでの少年ナリスの言葉。生きる意味を失ったオリエに語りかけるように言い聞かす少年ナリスがかっこいい。この言葉でオリエが生きる決心をしたわけではないのだけれども、オリエを気遣うナリスの気持ちがよく伝わってくる名ぜりふだと思う。 高殿さんの作品は、コメディーと思わせつつも要所要所にぐぐっとくる場面があって、この緩急がたまらない。 No.1 Feb/12/2003(Wed)
「おとといきやがれ、この山賊!を、どう婉曲に、上品に、差し障りなく表現するかだ」
□出典:『夜想』
(谷瑞恵/集英社コバルト文庫/P.217) □発言者:フランツ公爵 □感想 □迷 『夜想』のヒーロー(笑)フランツがかなりのピンチの時にも全く動じることなく、対策に頭を悩ます場面です。これは物語も終盤、クライマックスの一場面。すごく緊迫した状況だったのに、このセリフで思わず和んでしまいました…。なんと言いますか、ある意味彼の全てを表す名セリフなんですが、状況が状況だけに迷認定。物語自体はすごく不思議な雰囲気にあふれる硬派なものです。栄えある第一回が迷…、まあいいか。 |