2004年2月の本の感想
緑のアルダ 虹の白夜
榎木洋子/唯月一
(イラスト)・集英社コバルト文庫【
bk1・
別窓版】
罠にはまり、囚人を逃がしたという疑いをかけられたウルファ。そして、まわりに迷惑をかけないためにウルファは姿をくらました。その事実を知ったアルダ・ココはアナンシアの協力を得てウルファの行方を追う。
私好みのお姫様・アナンシアに一人でときめいていました(笑)。アナンシアとカートラムの二人が出てきたらこれだけでもう満足かなぁ……。今回は、「ウルファ、再びぬれぎぬを着せられる」ということで、またぬれぎぬかよっとあんまりひねりを感じなかった。こう、ぬれぎぬを着せる以外になにかぱっとした事件が起きればいいのになぁ。
そういう細かいことはおいといて。アルダ・ココとウルファの掛け合いにおもわずうれしくなってしまいました。だんだんと二人の距離が近づいていっているところがいいですね〜(ちょっと野次馬根性入ってます)。また旅の一行に仲間が増えそうな雰囲気だし、続きが楽しみ。
天空の刻印(下)
朝香祥/桑原祐子
(イラスト)・小学館パレット文庫【
bk1・
別窓版】
聖獣の力を得たレン。聖獣を得たことで勢いに乗ったカブラン族は草原を制していく。同時に聖獣を得ようとするアルトゥンとタスタリアが連携してカブラン族を陥れようと進行してきて……。
断言してもいい。主役はレンじゃなくて義兄の長兄エルクだとっ!(笑)。上巻ではもやもやっとしてものを持っており悶々と過ごしていたエルクですが、下巻ではもう素敵なかっこいいお兄様に。あー、こういう熱いお涙必須の兄弟モノって大好きです(ということを前の感想でも書いてますね……)。
話はとりあえずは終わりましたが、なんといいますかプロローグが終わったような、そんな感じ。え、この次は?あの人は一体?何をたくらんでいらっしゃるのですか!といろいろ未消化の部分がありますので、続きを是非とも書いてもらいたいなぁ……、ということで布教しましょう。おすすめです。
少年陰陽師 黄泉に誘う風を追え
結城光流/あさぎ桜
(イラスト)・角川ビーンズ文庫【
bk1・
別窓版】
黄泉の扉を開けようとする「宗主」と呼ばれる男とその配下の風音。その二人の陰謀を阻止するべく昌浩は奮闘するが、扉は開いてしまう。
そんなこんなで久しぶりな少年陰陽師。もっくんの過去とかいろいろ重たい感じになってきてますね。今まで出てこなかった神将たちも出てきたり(誰が出てきて誰が出てきていないのかは把握してませんが……)、ラスボスっぽい人の正体らしきものも見えてきたり。この先、もっくんにしても風音さんにしてもなんだかつらいことになってきそうなんですが、今回は思いっきり「続く」で終わっているので、内容忘れる前に続きを読みたいと考えています(あくまでも考えるだけ)。既刊分にはなかなか追いつきそうにありません(笑)。
花嫁の立つ場所 黄金の拍車
駒崎優/岩崎美奈子
(イラスト)・集英社ホワイトハート【
bk1・
別窓版】
若い女性が働いている……、ある日訪れたピートの店で信じられない現実を目撃するリチャードとギルフォード。ピートに拾われたというモニカと名乗るこの女性はなにやら複雑な過去を抱えているようで……。
毎度ながら「だまされたっ!」と思わずうなってしまった黄金の拍車の4冊目(注:私は非常に素直に話を読むひねりのない読者です)。まさに作者さんの思うツボ、な模範的な読者だなぁ……。こう、今回は同情の余地なしの犯人にぷんぷん怒りながら読んでましたね……。何にせよ、いつも通り事件の真相をわくわくしながら物語を追いかけていけたので大変楽しめました。リチャードもギルもいいけど、個人的には少年2人(トビーとガイ)のコンビが好きだな。読んで和むのがいい。
そして王国が誕まれる
めぐみ和季/神崎氷見
(イラスト)・角川ビーンズ文庫【
bk1・
別窓版】
政略結婚から逃げ出してきた王女アンは、逃亡途中にレッシュという青年の上に墜落した。なし崩し的にアンの恋人探しにつきあう羽目になったレッシュはアンとその侍女の珍道中に巻き込まれる。
ビーンズ文庫の新人さんらしい人の一冊目。一言で言うと全体的にはちゃめちゃ(※褒め言葉です)。なんせ王女様がそのお育ちの環境からしていろいろと問題あるからなぁ。おもわずいろいろつっこみたくなることはあるんだけど勢いで読ましてしまうタイプ。内容以外にも一部分、むむむと思ってしまう文があったりしましたが、さらっと流してしまえば大丈夫でしょう。
ネタバレ。物語の根幹をばらしていますので以下自己責任で反転させてどうぞ。読後、設定が榎木さんの守龍シリーズチックなところがあるなぁ、と思ってしまいました。ただし、龍の性格はこちらは一筋縄ではいきませんが……。ついでに、個人的には失われた技術が○年前の科学技術というのがイマヒトツで……。説得力はあるけど一種の逃げみたいなもんに感じるからなぁ。