2005年9月の本の感想


銀盤カレイドスコープvol.5 ルーキープログラム:Candy Candy all my rules

海原零/鈴平ひろ(イラスト)集英社スーパーダッシュ文庫【bk1amazon

キャンドル・アカデミアはジュニアチャンプのフィギアスケーター。アイドル業の二足のわらじもはく彼女とタズサは京都で偶然出くわし、意気投合した。

今回のゲストキャラは基本的にタズサと同じ人種のキャンディちゃんでした。タズサやヨーコほど好印象ではないのですが、彼女がアイドルを始めることになった過程とやはらはなるほど、といったところ。しかし、伸びまくった鼻をきっぱりぽっきり折るタズサの容赦なさが素敵だなぁと思ってしまいました。
Sep/24/2005 ↑TOP
  『銀盤カレイドスコープvol.4 リトル・プログラム:Big sister but sister


黄金を奏でる朝に 〜セレナーデ〜

沖原朋美/北畠あけ乃(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

オルガンを弾くため母を捨て故郷をでたミレイラは、新たに生活を始めた港町で幼なじみのクリスティアンに再会する。類い希な美声を持つクリスティアンはオペラの花形ソプラノ歌手として活躍していた。

コバルトのちょっと前の新人さんの物語を試し読み。18世紀を舞台に女でありながらオルガンを弾き続ける少女と、カストラート(男性ソプラノ歌手)となっていた初恋の幼なじみとの切ない物語でした。止められないオルガンへの情熱と母を捨てたことへの罪悪感、再会したクリスティアンにとまどいながらもひかれていくといったミレイラの心理描写が丁寧で、読み応えがありました。
ハッピーエンドといえばハッピーエンドなんだけど、わたしとしては若干煮え切らない終わりかただったなぁ。でも、おもしろかったです。
Sep/16/2005 ↑TOP
 


晩夏の手紙 蛇と水と梔子の花

足塚鰯/田久ようこ(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

船越で行われた園遊会の最中に、白比佐との許嫁を解消する旨をしたためた手紙を残して行方をくらました鳥越の六姫。必死で六姫を捜す関係者の捜索も虚しくなかなか見つからない六姫だが……。

猫の妖姉妹の婿取り物語の続編。続編は他の姉妹の結婚物語かな?と思っていたんですが、前回の主役の一人・六姫と白比佐のお話でした。今回もおもしろくかわいい話でした。お互いに背伸びをしまくってすれ違ってい二人がほほえましいというかなんというかで。鳥越の長女・一妃が一郎太を尻にひきまくっている姿がよかったです。今回は妖だけでなく人間もゲスト出演。この物語が現代が舞台ということがはっきりしましたね。ノリとしては「平成狸合戦ぽんぽこ」みたいな感じかな?孤高のマンドリン弾きのツッコミが結構楽しかった……。
さて、続きがあるのでしょうか?あるのであれば伏線ひかれた四女かな?二女の経緯も読んでみたいような気がするんですが、なんにせよ楽しみです。
Sep/12/2005 ↑TOP
 『蛇と水と梔子の花


エネアドの3つの枝 女ぎらいの修練士

樹川さとみ/木々(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

上官を殴ったために騎士になることをあきらめたセインは修道士になるために2年間口をきかないという誓いを立てた。もう少しでその近いも果たせそうなある日、修道院長の使いでコウシェに向かうことになる。領主のオーフとコウシェに嫁ぐというオーフの妹・ララとともに旅立つことになったセインだが……。

わー、ラブ。ラブ。王道ラブッ!おもしろかったです〜。
奔放な美女ララと美形だけど女嫌いでかなりぶっきらぼうなセインの「最初は二人ともタイプじゃなかったけどいつの間にか……」という展開がすばらしいっ!前巻を読んだときはずいぶんと陽気だなぁと思っていたララですが、彼女の心情が語られるにつれ印象がガラリと変わりました。冒険(?)あり笑いあり、そしてラストの方では思わずほろりと来てしまうというとても盛りだくさんな内容。残念ながらアドルファ様のご出演はなかったのですが、大満足です。
3人娘の最後は謎の治療師シーリアさん。どうやっても恋愛と結びつきそうにない彼女がどうなるのか楽しみです。ちょこちょこ出てきているヒーローっぽいヒューさんに期待しておきましょう。
Sep/08/2005 ↑TOP
 『エネアドの3つの枝 それでもあなたに恋をする


オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う

栗原ちひろ/THORES柴本(イラスト)角川ビーンズ文庫【bk1amazon

魔物の襲来を受け、神聖帝国ルースによって封鎖された街ミズネ・タカミネからただ一人抜け出した薬師の青年カナギ・サンスイ。カナギはルースの放った刺客に追われながらもミズネ・タカミネを救うために「命の花」を手に入れるため、不死者がいるというラートリを目指す。

ビーンズ新人さんのラストの人。おもしろかったです。
タイトルとイラストからもっとどんよりと重い話なのかと思っていたら、思っていたよりも取っつきやすかったです。しっかりと作り込まれた世界が結構お気に入り。
腕が立つけど病弱で貧乏くじばっかりひいてそうなカナギや、謎のかたまりの詩人ソラ、これからの活躍に大期待の(元)暗殺者の少女ミリアンとメインの3人が好印象。つかず離れずの割にはなんやかんやで信頼関係が形成されつつある3人(いや、カナギとソラの間にはないような気がするけど)の今後が楽しみです。かっこいいんだか腰抜けなのかよく分からないバシュラールさんも気になります。
というわけで、わりとおすすめ。
Sep/05/2005 ↑TOP
 


伯爵と妖精 呪いのダイヤに愛をこめて

谷瑞恵/高星麻子(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

いわくつきの巨大ブラックダイヤを手に入れた日から、エドガーの周りで不吉なことが起こり続けていた。プリンスに復讐するためにブラックダイヤを使って”ハーレム”で罠を仕掛けるエドガーだが、ハーレムをを誤解したリディアが乗り込んできて……。

今回もいつもながらにおもしろくておもしろくてお腹一杯〜。やや暴走気味のエドガーとリディアの攻防がすばらしい。ちゃんと愛がこもっていて、タイトル通りの話を期待していてそれを満たされた満足感がっ。
呪われたブラックダイヤを核に、エドガーの出自やプリンスの目的などが明かされていき、話は大きな転換点を迎えた模様。エドガーもリディアも互いに相手に対する自分の思い(と相手の気持ち)にとまどっているようで、もうここらへんの微妙な描写がツボでツボで。エドガーとレイブンの漫才、アーミンのツッコミ、取り乱すリディア父、実は活躍しているニコ、結構いいとこ取りのケルピー君、初登場・これからもなにやらやってくれそうなおせっかいなコブラナイなど他にもツボポイントはたくさんあって盛りだくさんな内容でした。
コバルトのwebラジオによると、次の新刊は12月、『妖精と伯爵 取り替えられたプリンセス』だそうで。もう書き上がっているとかで、すごく楽しみです。
Sep/03/2005 ↑TOP
 『伯爵と妖精 恋人は幽霊


宝はマのつく土の中!

喬林知/松本テマリ(イラスト)角川ビーンズ文庫【bk1amazon

聖砂国の宮殿から命からがら逃げだしたユーリ、コンラッド、ヨザックの3人はベネラと名乗るヘイゼル・グレイブスに助けられる。身を隠したのも束の間、急に行われることになった公開処刑に聞いたこのとある名前がリストアップされていて、いてもたってもいられなくなったユーリは……

勝利おにいちゃんの弟への愛が暴走してなにやら頑張っている模様。それに引きずられる地球組の皆さん、どういう形でユーリを助けることになるのかとちょっと楽しみです。
一方、ユーリの方はコンラッド、ヨザックとの逃避行にとんでもないおまけが付いてしまいました。もう、正直サラレギーが何を基準に行動しているのか分からなくてお手上げです。つかみ所のない王様だ。今回はグリ江さんヨザックがかっこよかったのが光ってたんですけどねぇ……、「えーっ、ショックー」というような心臓に悪いところで終わっていますので、どうなってしまったのか早く続きが読みたいです。
Aug/29/2005 ↑TOP
 『やがてマのつく歌になる!