峻嶺の花嫁 花音祈求 / 森崎朝香

本の感想, 作者名 ま行森崎朝香

名門武家出身の青年下士官・趙熾嶺は通りがかった街で見かけた巫女見習いの林邑華に一目惚れをする。しかし、都に戻り邑華の存在を忘れそうになった時に邑華が巫女選定の試験を受けるという話を聞いた熾嶺は何かにせき立てられるように邑華の元に向かった。巫女になったらもう二度とその手に入れられない存在となる前にと熾嶺が神殿でとった行動は……

「おまえは阿呆か」(by熾嶺の親友)という言葉が全てを物語っているようなラブストーリーでした。いいぞもっとやれー的な。

とりあえず何も考えずにジェットコースターラブを楽しむのに最適な作品。神殿での熾嶺の爆弾発言周辺はさすがの私も恥ずかしくて超高速でページをめくってしまいましたが(もちろんあとで読み直した)、なんというか、全体的に光速すぎてすごかった。……花嫁シリーズもやればできるんだなぁ、みたいな [1]ほめてます

花嫁シリーズの醍醐味といえば、ラブいけどかなり(たまに、のときもある)切ないこのじれったさがいいんだ!というのがあるんですが、今作に限っては切なさが全くなくてもう直球どどんと勝負でとても爽快でした。結婚を認めてもらうために神前裁判とかいろいろ燃えるが展開各種取りそろえており、飽きもせずに一気読みです。
爽快といえば、ヒロインの親友巫女見習い晶葉の男前度もとても爽快でした。彼女のあの気っぷの良さがとてもお気に入り。そしてやるときはやるヒロインも爽快でした。天然は起こらせたら怖いよなーと思う……。

他の花嫁シリーズとはだいぶ毛色が違いますが、これはこれでいいですね。


峻嶺の花嫁 花音祈求
森崎朝香/明咲トオル
講談社X文庫ホワイトハート(2009.09)
ISBN:978-4-06-286619-4
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References

1 ほめてます