太陽神の姫巫女 / 斎王ことり

本の感想, 作者名 さ行斎王ことり

十年ぶりに太陽神イスファーンの巫女が選ばれた。新しい姫巫女となったシュエラは、イスファーンの傲岸不遜な態度に反目しつつも、徐々にイスファーンの心に触れる内に、イスファーンの孤独を知る。一方、太陽神の自由を奪う力を持つ国王は、久方ぶりに現れた姫巫女を利用してイスファーンの力を利用しようとするが……

神様と神に仕える巫女の物語。

設定というか舞台が結構好みっぽいあらすじなのでチャレンジしてみました。強力な力を持つ太陽神と、太陽神に憧れ巫女になり、姫巫女しか見ることのできないというイスファーンの真の姿に反目しつつも徐々にイスファーンにひかれていくシュエラの近づきそうで近づかない距離感がなかなかにようございました。

イスファーンも傲岸不遜といいつつ、感覚がわりに普通の人っぽい所があって神様らしいかっこよさというより普通のヒーロー的かっこよさかがあったんですが、対してシュエラの方がちょっとちぐはぐ、といいますか、なんか理解しがたいところがあったのが若干残念かなぁ。障害物その1のお付きの騎士もその立ち位置からジャストミート!と思ったんですが彼の内面も若干すっ飛ばされたところがあってはまりきれず、障害物その2かつ本丸かつラスボスの王様もわかったようなわからんような所があって……。結論から言うとどうも私の感覚とことごとくずれていて、ちょっと乗り切れず読むのにえらく時間がかかりまして。前に他作でもどうもダメだったので、シリーズ変われば読めるだろうと思ってた部分があったんですがやっぱり合わなかったようです。なんやかんやと続きそうといえば続きそうですが、続きはたぶん……。

太陽神の姫巫女
斎王ことり/椎名咲月
ティアラ文庫(2009.10)
ISBN:978-4-8296-6516-9
bk1/amazon