金の姫と金の王~神の眠る国の物語~ / 剛しいら

本の感想, 作者名 か行剛しいら

ハッシュウィルに潜入し、傷を負ったシーナ。そのシーナと入れ替わるように目覚めたアレン。祖国ウラルを取りもどすために立ち上がったアレンはゴート王と連携してハッシュウィルのハイル王子を対峙する。

お茶目な神様の物語、最終章。納得の大団円でした。

ウラル奪還+ゴート王が攻め+神様が神様らしく物語の幕を閉めた最終巻。「神の眠る国」の物語だな、とうなずいてしまう程の神様の活躍が良かったです。人情味溢れるおおよそ「神」らしくないウラル神のあの選択は、ああ、彼らしいなぁとしんみりしてしまいました。かの人と神様の最後のやりとりはなんというか、予想外。

一方、物語のヒロインその他の動向は、収まるべきところにすっきり収まってよかったねぇと拍手したくなるようなエンディング。もうここ以外に収まる方法はないでしょ!という雰囲気がだいぶ前からありありだったんですが、やはりそこに落ち着くと気持ちがいいものです。そしてレディ騎士は最後まで凛々しくかっこようございました。おまけの「騎士」バージョンがナチュラルに格好良く、レディ騎士のすばらしさを改めて確認した次第(笑)。

物語はきれいにまとまりましたが、続編としてアレンの嫁取り物語があるそうで……。アレンの復活は最後の最後でまだまだおいしいところが出尽くしてないに違いありませんので、続編も楽しみです。

金の姫と金の王~神の眠る国の物語~
剛しいら/佐倉汐
B’s-LOG文庫(2008.03)
ISBN:978-4-7577-4124-9
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