花姫恋芝居~美姫と二人の覇王~ / 宇津田晴

本の感想, 作者名 や~わ行・他宇津田晴

立ち寄った街で評判の芝居一座が興業を行っていると聞き、俄然やる気の出る香琴。しかし、その芝居一座は最近頻発している若い娘の駆け落ちに関係していると住民達から抗議を受けていた。芝居を愛する者として、一座の警備を(勝手に)引き受けた香琴だが、彼女をひつこく口説く一座の看板俳優に振り回される。

前巻に引き続き、勝負が成り立ってないとかなんとか。

香琴とその連れの世直しの旅第4段。なんとこのシリーズ、隔月発行なんですって。早いと思ってたけどそこまでかールルル文庫はスピードで勝負なのか……!今回もたぶん真顔で読めないだろうとは思っていましたが案の定で開始数ページで思わず本を閉じてしまう程度にニヤニヤしすぎました。ごちそうさま……。

タイトル通り香琴を巡り二人の男が火花を散らす話なのですが、なのですが。香琴が最強天然すぎて(師匠曰く「魔性の女」)、碧天が勝手に空回り(そしてライバルは哀れな)というなんとも素晴らしい展開。成り立つ勝負も成り立ちません、ごちそうさまです。ラブコメ以外も、香琴のばしっと信念を持った「信じる」姿がかっこいいなぁ(色恋が絡むととたんにへろんとなりますが)と思ったりと、いつも通りの楽しさでした。
そして、いつもヘタレている悪役は今回もやっぱりヘタレでしたが、ヘタレというよりむしろHENTAIさんで……、久しぶりに心底気持ちの悪いHENTAIさんを(少女小説で)拝んだ気分です。

勝負といえば、香琴関係の勝負は成り立たないことが今回証明されましたが、右腕を巡る勝負はなかなか白熱してまいりました。次にあの人はどう動いてくるのかな、とこちら方面でも続きが楽しみ。

img花姫恋芝居~美姫と二人の覇王~
宇津田晴/山下ナナオ
小学館ルルル文庫(2010.04)
ISBN:978-4-09-452153-5
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