魔王は甘くささやく / 瀬川貴次

本の感想, 作者名 さ行瀬川貴次

19世紀後半のボストンで、骨董品と古書を集める風変わりな父とメイドの三人で暮らすエリザ。何の変哲もない平凡な日々が続くと思われたが、ある日父親が変死する。父の死因に疑問を抱いたエリザは、同じくエリザの父の死に事件性を感じたボストン市警のジェイクに助力を頼む。一方、父の死によって多額の借金を知ったエリザの前に、父の趣味を通じて知り合った美形の青年が援助を申し出てきて……

評判通りのちょっぴり胸キュン物語でした。ごち!

各種少女小説読みさんたちの間で静かに評判のよい作品だったので虎視眈々と狙っておりまして、ようやく読みました。こ、これはたしかに、いい!甘すぎず、かといって辛すぎず!主人公の二人はお互い素直に慣れない道を邁進することは間違いないのですが、すれ違うというほど(今巻では)すれ違っておらず、二人してなんともいえないあまずっぱい意地っ張りぶりで!この距離感がたまらん。
瀬川さんといえば(私の若干苦手な)怪奇モノ(注:あくまで私基準なので、そんなに怖い怪奇でもありません)、ということもあり、積極的に手をつけてはいなかったのですが、これは怪奇モノといいながらもそんなに、かなぁ。終盤の所らへんは想像したらたぶんアウトだけど、読み流してたら問題なかったです。

警察官と魔女っ子という相容れない用に思えるこの組み合わせも素敵だなぁと、ニヤニヤしながらよんでまして、最後の最後に諸悪の根源との決着がつききらず、次巻持ち越しです。これは続きも読まねば!

img魔王は甘くささやく
瀬川貴次/ななみ空良
集英社コバルト文庫(2010.02)
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