彩雲国物語 紫闇の玉座 / 雪乃紗衣
蝗害対策のために紅州に向かう旺季は現地で行方不明になっていた秀麗に再会する。縹家の助力を得て蝗害の沈静化に成功した旺季は、満を持して紫州に戻る。そして退路を断たれた劉輝の選択は……
感無量の最終巻でした。
長編中華ファンタジー・彩雲国物語最終巻上下巻。二ヶ月連続刊行だったんですが、我慢して下巻が出るのを待って一気に読みました。これは一気に読んで正解でした。上巻を読んでもこれはいったいどうなるのー!とヤキモキせざるを得ない展開の連続に、一気にたたみかけるように物語を最後に持って行った下巻、もう本当に圧巻の一言でした。
上巻が秀麗の物語で、下巻は王様の物語。追い詰められるところまで追い詰められた王様が王都を脱するところでは、本気で泣きかけて(ああいう展開に非常に弱いのです)、王様の周りに残る人たちの王様への想いにぐっときて。ここのところ全くいいところのなかった王様ですが、かっこよかったです。
最後の最後まで読むと、登場人物のほとんどが丸くおさまちゃってこれでいいのか!と思ってしまったりもしましたが、たぶんこれでいいんでしょうね。エピローグがこれまた秀逸で。1巻ラストのあの終幕を迎えることができて、そして最後までちゃんと読めてよかったー!
しかし、欲を言えば紅李親子がストップ安のまま終わっちゃったので、どこかでフォローがほしいかもしれない(李さんの北国漫遊録とか)。